公認心理師資格試験 過去問解説 第5回 午前 問31|月経前不快気分障害〈PMDD〉

公認心理師試験
Ig Knowledge 〜イグナレッジ心理ブログ〜

臨床心理士・公認心理師の有資格者が、心理界隈の知識についてまとめるブログです!

こんな人におすすめ

  • 心理学に興味がある人
  • カウンセラーになりたい人
  • 臨床心理士・公認心理師を目指す人
  • 若手臨床家のみなさま

 



noteも応援よろしくお願いします📔

note|Yamashun@心理屋さん



全記事一覧

公式問題

DSM-5の月経前不快気分障害が含まれる症群又は障害群を1つ選べ。

  1. 抑うつ障害群
  2. 不安症群/不安障害群
  3. 身体症状症および関連症群
  4. 双極性障害および関連障害群
  5. 心的外傷およびストレス因関連障害群

正答:①

この問題のポイント

この問題は、月経前不快気分障害〈Premenstrual Dysphoric Disorder:PMDD〉の症状を細かく問う問題ではなく、DSM-5でどの診断群に分類されるかを問う問題です。

PMDDはDSM-5では抑うつ障害群に位置づけられます。

試験では、不安、気分変動、身体症状など、PMDDに実際にみられ得る症状に引っ張られて、別の診断群を選ばないことが重要です。

月経前不快気分障害〈PMDD〉とは

PMDDは、月経周期に関連して、月経前に強い精神症状や行動上の変化がみられ、日常生活や社会生活に大きな支障を生じる状態です。

日本産科婦人科学会の一般向け解説でも、月経前症候群〈PMS〉では、情緒不安定、イライラ、抑うつ気分、不安、睡眠の問題、集中力低下などの精神症状と、むくみ、痛み、倦怠感などの身体症状がみられることが説明されています。

その中でも、こころの症状が重く、日常生活が困難になる場合にPMDDと診断されることがあるとされています。

ただし、「月経前に気分が変化する」というだけでPMDDと判断するわけではありません。症状の程度、生活への影響、月経周期との関連などを確認する必要があります。

PMDDは「抑うつ障害群」

この問題で最も重要なのは分類です。

PMDD → 抑うつ障害群

と覚えておきましょう。

PMDDでは、不安、易怒性、気分の変動、抑うつ気分など、複数の精神症状がみられ得ます。

しかし、DSM-5における診断群は「どの症状が目立つか」だけで決まるわけではありません。

たとえば不安症状が強くても、PMDDが不安症群に分類されるわけではありません。

DSM-5で診断群を見分ける問題については、第4回 午前 問14|DSM-5の診断群もあわせて確認すると整理しやすくなります。

PMSとPMDDの違い

PMS〈Premenstrual Syndrome:月経前症候群〉では、月経前に身体症状や精神症状が出現し、月経開始後に軽快するという周期性がみられます。

PMDDでは、とくに精神症状が強く、日常生活・社会生活への支障が大きいことが重要になります。

したがって、

  • PMS=身体症状も精神症状も含み得る
  • PMDD=とくに強い精神症状と機能障害が問題になる

という違いを押さえておくと理解しやすくなります。

月経周期との関連を確認する

日本産科婦人科学会の解説では、症状が毎月決まって月経前に現れ、月経が始まると軽くなるかを確認することが重要とされています。

そのため、症状日誌などを用いて、日々の症状と月経周期の関連を確認する方法が紹介されています。

これは、単に「月経前に気分が悪かった」という記憶だけで判断するのではなく、症状の周期性を継続的に確認するという考え方です。

選択肢を確認する

① 抑うつ障害群

正しいです。

DSM-5ではPMDDは抑うつ障害群に含まれます。

② 不安症群/不安障害群

誤りです。

PMDDでは不安がみられることがありますが、「不安がある」ことと「不安症群に分類される」ことは別です。

症状と診断分類を分けて考える必要があります。

③ 身体症状症および関連症群

誤りです。

PMDDでは倦怠感、むくみ、乳房の張り、痛みなど身体症状がみられることがありますが、身体症状があるからといって身体症状症および関連症群に分類されるわけではありません。

④ 双極性障害および関連障害群

誤りです。

PMDDでは気分の変動や易怒性がみられることがありますが、それだけで双極性障害群に分類されるわけではありません。

双極性障害についてでは、躁病・軽躁病エピソードなど、双極性障害を理解するうえで重要な特徴を整理しています。

⑤ 心的外傷およびストレス因関連障害群

誤りです。

PMDDは月経周期と関連する障害であり、心的外傷やストレス因への曝露を中核とする診断群ではありません。

試験対策

この問題では、症状の特徴とDSM-5上の分類を分けて考えることがポイントです。

PMDDには、

  • 抑うつ気分
  • 不安
  • 易怒性
  • 気分変動
  • 身体症状

などがみられ得ます。

しかし、これらの症状名から診断群を推測すると誤りやすくなります。

試験ではまず、

PMDD → 抑うつ障害群

という分類を固定しておきましょう。

そのうえで、PMSとの違い、月経周期との関連、生活への支障を整理すると、単なる暗記ではなく理解として定着しやすくなります。

参考資料

  • 一般財団法人 日本心理研修センター「第5回公認心理師試験 午前問題」

https://www.jccpp.or.jp/files/items/127/File/04_gokaku_happyo_05.pdf

  • 一般財団法人 日本心理研修センター「第5回公認心理師試験 正答」

https://www.jccpp.or.jp/files/items/127/File/03_gokaku_happyo_06.pdf

  • 公益社団法人 日本産科婦人科学会「月経前症候群〈PMS〉」
月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS) - 公益社団法人 日本産科婦人科学会
月経前症候群(PMS)はどのような病気ですか? 月経前症候群(premenstrual syndrome:PMS)は、月経の前に現れるこころとからだの不調です。さまざまな症状が月経前に3~10日間くらい続きますが、月経が
  • 公益社団法人 日本産科婦人科学会「PMS・PMDD診断・治療指針」

https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/PMS_PMDDshishin.pdf

コメント

タイトルとURLをコピーしました