第3回公認心理師試験・午後問107は、精神保健福祉法に基づく精神科入院の形態について問う問題です。
正答は③「措置入院は、2名以上の精神保健指定医による診察を要する」です。
この問題は、措置入院・緊急措置入院・医療保護入院・応急入院の要件を混同しないことがポイントです。
なお、第3回試験は2020年実施です。その後、精神保健福祉法は改正され、特に医療保護入院の手続や入院期間には2024年4月施行の変更があります。この記事では、試験当時の正答を確認したうえで、2026年8月時点の現行法と混同しないように整理します。
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【問107】精神保健福祉法に基づく入院
問107 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉に基づく精神障害者の入院について、正しいものを1つ選べ。
① 応急入院は、市町村長の同意に基づいて行われる。
② 措置入院は、72時間を超えて入院することはできない。
③ 措置入院は、2名以上の精神保健指定医による診察を要する。
④ 緊急措置入院は、家族等の同意に基づいて緊急になされる入院をいう。
⑤ 医療保護入院は、本人と家族等の双方から書面による意思確認に基づいて行われる。
正答:③
第3回公認心理師試験の午後問題冊子と正答は、公認心理師試験研修センターの公式資料で確認できます。
第3回公認心理師試験(令和2年12月20日実施)|公認心理師試験研修センター
③が正しい理由:措置入院は2人以上の精神保健指定医の診察結果の一致が必要
精神保健福祉法第29条では、都道府県知事が措置入院を行う場合、指定する2人以上の精神保健指定医の診察を経て、入院の要件について各指定医の診察結果が一致していることが必要とされています。
したがって、③が正答です。
措置入院 → 都道府県知事の措置 + 2人以上の精神保健指定医 + 診察結果の一致
と押さえておきましょう。
① 応急入院は「市町村長の同意」で行う?
①は誤りです。
応急入院は、急速に入院が必要である一方、本人の同意や家族等の同意を得られない場合などに、法律上の要件を満たして行われる入院形態です。
「市町村長の同意に基づく入院=応急入院」と単純に対応づけるのは誤りです。
ここでは、医療保護入院における市町村長同意の仕組みと混同しないことが重要です。
② 72時間までなのは措置入院?
②も誤りです。
72時間以内という時間制限で押さえるべきなのは、通常の措置入院ではなく、緊急措置入院です。
緊急措置入院は、措置入院の手続をとる時間的余裕がない緊急の場合に、精神保健指定医1人の診察を前提として行われる一時的な入院措置です。
措置入院=2人以上の指定医
緊急措置入院=緊急時・指定医1人・72時間以内
という対比で覚えると整理しやすくなります。
④ 緊急措置入院は「家族等の同意」に基づく?
④は誤りです。
緊急措置入院は、家族等の同意を要件として行う入院ではありません。
都道府県知事が、急速を要して通常の措置入院手続をとることができない場合に、指定医の診察結果など法律上の要件を満たして行う制度です。
したがって、「家族等の同意に基づいて緊急になされる入院」という④の説明は不適切です。
⑤ 医療保護入院は「本人と家族等の双方の書面同意」が必要?
⑤も誤りです。
医療保護入院は、本人が任意入院を行う状態にない場合に、精神保健指定医による診察と、法律で定められた同意手続などを経て行われる入院形態です。
したがって、本人と家族等の双方から書面による意思確認が必要という⑤は、この制度の要件を正しく表していません。
2024年4月の法改正後は、医療保護入院の扱いに注意
この過去問は2020年実施ですが、精神保健福祉法はその後改正されています。
厚生労働省の改正概要では、2024年4月から医療保護入院について、入院期間の法定化と更新制度、家族等が同意・不同意の意思表示を行わない場合の市町村長同意の依頼などが導入されています。
そのため、古い過去問を学ぶときは、
- 試験当時の設問としてどれが正答か
- 現在の法律ではどのような制度になっているか
を分けて理解する必要があります。
ただし、本問の正答である「措置入院では2人以上の精神保健指定医の診察結果の一致が必要」という基本は、2026年8月時点の現行法第29条でも確認できます。
5つの選択肢を整理
| 選択肢 | ポイント | 判定 |
|---|---|---|
| ① 応急入院=市町村長同意 | 応急入院を市町村長同意だけで定義するのは誤り | 誤り |
| ② 措置入院=72時間以内 | 72時間以内は緊急措置入院の重要ポイント | 誤り |
| ③ 措置入院=2人以上の指定医 | 診察結果の一致が必要 | 正答 |
| ④ 緊急措置入院=家族等同意 | 家族等の同意を要件とする制度ではない | 誤り |
| ⑤ 医療保護入院=本人+家族等双方の書面同意 | 本人の同意を前提とする制度ではない | 誤り |
試験対策ではここまで覚える
- 任意入院:本人の同意に基づく
- 措置入院:都道府県知事、2人以上の精神保健指定医、診察結果の一致
- 緊急措置入院:緊急時、指定医1人、72時間以内
- 医療保護入院:本人が任意入院を行う状態にない場合の法定入院形態。現行制度では2024年改正にも注意
- 応急入院:急速を要し、本人・家族等の同意を得られない場合などに用いられる法定入院形態
問107の中心:措置入院と緊急措置入院を、「指定医の人数」と「72時間制限」で区別する
旧記事から修正したポイント
今回の改訂では、旧記事の説明を現在の公式資料と法令に合わせて整理しました。
- 旧日本心理研修センターへの参照を、現行の公認心理師試験研修センターへ更新
- 精神保健福祉法の条文をe-Gov法令検索で確認
- 措置入院と緊急措置入院の要件を明確に区別
- 医療保護入院について、2024年4月施行の制度改正があることを明示
- 過去問の正答と現在の制度を混同しない構成に修正
まとめ
第3回公認心理師試験・午後問107の正答は、③「措置入院は、2名以上の精神保健指定医による診察を要する」です。
措置入院では、都道府県知事が指定する2人以上の精神保健指定医が診察し、法律上の要件について診察結果が一致する必要があります。
一方、緊急措置入院では指定医1人・72時間以内という点が重要です。
さらに、医療保護入院は2024年4月から制度改正が施行されているため、過去問としての知識と現行法を分けて確認することが大切です。



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