公認理師資格試験 過去問解説 問15 障害者(児)の心理学 TEACCH

公認理師資格試験 過去問解説 問15 障害者(児)の心理学 TEACCH

第4回公認心理師試験の過去問や正答は以下のサイトで入手可能です。

【令和3年10月29日14時】第4回公認心理師試験(令和3年9月19日実施)合格発表|講習・試験・登録|一般財団法人 日本心理研修センター 公認心理試験

公認心理師資格試験の過去問をしっかりと振り返ることで「自分に必要な知識は何か」を知るための手がかりとしてくださいね!

【公認心理資格試験】試験勉強の仕方。ブループリントに記載されている出題割合で勉強の範囲を狭めない方がいい理由について解説します!

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【問15】TEACCH

問15 TEACCHの説明として、最も適切なものを1つ選べ。
① 青年期までを支援対象とする。

② 生活や学習の環境を構造化する。

③ 被虐待児を主な支援対象とする。

④ 標準化された統一的な手順を適用する。

⑤ 視覚的手がかりを使わずにコミュニケーションを支援する。

出典:第4回公認心理師試験(令和3年9月19日実施)|一般社団法人日本心理研修センター

正答は ②

② 生活や学習の環境を構造化する

TEACCHとは

TEACCHは、Treatment and Education of Autistic and related Communication handicapped CHildrenの頭文字をとった略語で、「自閉症と関連するコミュニケーション障害をもつ子どもたちの治療と教育」を意味します。

TEACCHプログラムは、1970年代前半からアメリカのノースカロライナ州によって出されている教育・福祉の施策で、幼児期・学童期・成人期に至るまで自閉症をもった人やその家族を対象とする生活全般のサポートに関する支援制度を指します。

TEACCHという名称自体は、個別のプログラムというよりも、包括的な支援制度を意味するということ

TEACCHの主な目的は、自閉症をもつ人が社会の中で自立した有意義な生活や行動ができるように支援していくことにあるため、「自閉症児の診断・評価」、「療育プログラム」、「家族・支援者のサポート」、「就労支援」などのさまざまな領域が含まれます。

日本ではTEACCHの正しい実践と応用を目指した専門組織である日本TEACCH®︎公認専門職ネットワークがあります。

選択肢の解説

①青年期までを支援対象とする

TEACCHプログラムというと「療育」の印象が強いですが、前述したように「包括的な支援」という意味が含まれているため、支援対象には幼児期・学童期・成人期までが含まれています。

よって、「成人期まで」が正しく、選択肢①「青年期までを支援対象とする」は不適切な記述といえます。

②生活や学習の環境を構造化する

TEACCHでは「自閉症」の「動機づけ」に対処するために「見通し」をもたせるという理由から、以下に挙げるようなさまざな「構造化」が重要視されています。

  • 物理的構造化
  • 時間の構造化(スケジュール化)
  • 個別の作業課題(ワークシステム化)
  • 視覚的構造化
  • ルーティンの設定

いずれも自閉症をもった人たちにとって、環境をわかりやすく設定して、彼らが自立して、安心して行動できるようにするのが目的とされている。

出典:島宗理(2003). 行動分析学からみたTEACCHプログラム, 鳴門教育大学研究紀要, 18, 197-204.

よって、TEACCHプログラムのなかでは「構造化」は重要なキーワードとなるため、こちらの選択肢は適切な内容となります。

③被虐待児を主な支援対象とする

TEACCHの主な支援対象は「自閉症をもつ人とその家族・支援者」となります。

よって選択肢③「被虐待児を主な支援対象とする」は不適切といえます。

④標準化された統一的な手順を適用する

TEACCHは、障害の治療ではなく、自閉症をもちながらも学習や生活ができるように環境整備を進めながら支援をしていくという考え方になっています。

そのため、「構造化」などの共通するキーワードや考え方はありますが、支援の在り方自体は個人の置かれた環境によって異なることから、標準化された統一的な手順よりも個別化が重視されます。

よって、選択肢④「標準化された統一的な手順を適用する」は不適切といえます。

⑤視覚的手がかりを使わずにコミュニケーションを支援する

視覚的な手がかりを用いた支援(視覚的構造化)は、TEACCHのなかでも重要な構成要素となります。

もちろん、個々人の特性の程度や得意・不得意によって必要な視覚的手がかりは異なりますが、自閉症の特性のひとつである「見通しが持ちにくい」ことに対して、視覚的構造化が用いられることがスタンダードといえます。

よって、選択肢⑤「視覚的手がかりを使わずにコミュニケーションを支援する」は不適切といえます。

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まとめ

  • TEACCHはTreatment and Education of Autistic and related Communication handicapped CHildrenの頭文字をとった略語で、「自閉症と関連するコミュニケーション障害をもつ子どもたちの治療と教育」を意味する包括的な支援制度のことである。
  • その目的は、「自閉症をもちながらも学習や生活ができるように環境整備を進めながら支援をしていく」ことであり、目的を達するために、構造化などの環境整備がある。
  • TEACCHの構成要素として、「自閉症児の診断・評価」、「療育プログラム」、「家族・支援者のサポート」、「就労支援」などが含まれ、成人期に至るまでを対象としている。
  • 「構造化」は重要なキーワードで、「物理的構造化」「時間の構造化(スケジュール化)」「個別の作業課題(ワークシステム)」「視覚的構造化」「ルーティンの設定」などがある。