公認理師資格試験 過去問解説 問2 スーパービジョンについて

公認理師資格試験 過去問解説 問2 スーパービジョンについて

第5回公認心理師試験の過去問や正答は以下のサイトで入手可能です。

第5回公認心理師試験(令和4年7月17日実施)|一般社団法人日本心理研修センター

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問2 心理支援におけるスーパービジョンについて、最も適切なものを1つ選べ。

① 最新の技法を習得することが主な目的である

② スーパービジョンの対象にアセスメントは含まれない

③ 異なる領域の専門家の間でクライエントの支援について話し合われる

④ スーパーバイジーの心理的危機に対して、スーパーバイザーはセラピーを行う

⑤ スーパーバイジーには、実践のありのままを伝える自己開示の姿勢が求められる

出典:第5回公認心理師試験(令和4年7月17日実施)|一般社団法人日本心理研修センター
正答は ⑤ スーパーバイジーには、実践のありのままを伝える自己開示の姿勢が求められる

となります。

スーパービジョン

スーパービジョン supervision とは?

心理治療において、セラピストが自分の担当事例についてスーパーバイザーに報告し、適切な方向づけを得るための指導を受けることである。

出典:心理学辞典|有斐閣

とあります。

スーパービジョンにはいくつかの種類があります。

  • マネジメントスーパービジョン
  • クリニカルスーパービジョン
  • プロフェッショナルスーパービジョン

選択肢の解説

① 最新の技法を習得することが主な目的である

心理支援におけるスーパービジョンの目的は、「事例の理解と支援方針の立案、具体的な支援遂行のための方向づけ」を得ることです。

そのなかで、最新の技法が必要となることもあるかもしれませんが、本質的な部分ではありません。

② スーパービジョンの対象にアセスメントは含まれない

事例の理解や支援方針の立案のためには適切なアセスメントが必要となります。

よって、スーパービジョンの主な目的のなかにアセスメントは含まれます。

③ 異なる領域の専門家の間でクライエントの支援について話し合われる

スーパービジョン自体には他職種で行われるもの(クリニカルスーパービジョン)もありますが、心理支援の文脈での典型的なスーパービジョンは、同職種間で行われるプロフェッショナルスーパービジョンとなっています。

よってこちらの選択肢は不適切な回答といえます。

④ スーパーバイジーの心理的危機に対して、スーパーバイザーはセラピーを行う

スーパービジョンはあくまでセラピストが担当している事例に対して行われるものであるため、セラピストに対するセラピーは行われません。

このような場合、スーパービジョンではなく、教育分析となります。

⑤ スーパーバイジーには、実践のありのままを伝える自己開示の姿勢が求められる

スーパービジョンはスーパービジョンを受ける側(スーパーバイジー)の開示する情報によって行われます。

すなわち、スーパーバイジーが実践のありのままを報告しなければ、そもそもスーパービジョンが機能しなくなることになります。

よって、こちらの選択肢が正答となります。

まとめ

第5回公認心理師資格試験の問2は、「スーパービジョン」についてでした。

  • スーパービジョンの目的は、事例の理解と支援方針の立案、具体的な支援遂行のための方向づけ
  • スーパーバイジーは、実践のありのままを伝える自己開示の姿勢が求められる
  • 他職種間で行われる=クリニカルスーパービジョン
  • 同職種間で行われる=プロフェッショナルスーパービジョン