第5回公認心理師試験・午前問1は、個人情報保護法における「要配慮個人情報」について問う問題です。
正答は③「病歴」です。
この問題で重要なのは、「個人情報」「個人識別符号」「要配慮個人情報」を同じものとして覚えないことです。氏名や生年月日、掌紋、基礎年金番号はいずれも個人情報保護法と関係しますが、その法的な位置づけは同じではありません。
問1の正答は③「病歴」
問題は、次のうち個人情報保護法上の「要配慮個人情報」に該当するものを1つ選ぶという内容です。
- ① 氏名
- ② 掌紋
- ③ 病歴
- ④ 生年月日
- ⑤ 基礎年金番号
正答は③ 病歴です。
個人情報保護法では、要配慮個人情報について、本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないよう、特に取扱いへの配慮を要する情報として定めています。
病歴は、その対象として法律上明示されています。
まず整理したい3つの言葉
| 区分 | ポイント | この問題との関係 |
|---|---|---|
| 個人情報 | 氏名などにより特定の個人を識別できる情報、または個人識別符号を含む情報 | ①・④などを考える基礎 |
| 個人識別符号 | それ単体で特定の個人を識別できるものとして法令で定められた符号 | ②の一部の扱い、⑤を理解するポイント |
| 要配慮個人情報 | 差別・偏見その他の不利益を防ぐため、特に取扱いへの配慮を要する情報 | ③ 病歴が該当 |
① 氏名が誤りの理由
氏名は、特定の個人を識別できる典型的な情報であり、個人情報に該当し得ます。
しかし、氏名であるという理由だけで「要配慮個人情報」になるわけではありません。
② 掌紋が誤りの理由
ここは少し注意が必要です。
個人情報保護法では、指紋や掌紋などの身体的特徴から抽出した特徴情報を、本人を認証できるよう電子的に変換した一定の符号は、個人識別符号に該当します。
ただし、「個人識別符号であること」と「要配慮個人情報であること」は別です。
また、設問の「掌紋」という語を、そのまま全て個人識別符号と読み替えるのも正確ではありません。法律が個人識別符号として扱うのは、一定の基準を満たす形で本人認証に利用できるよう変換された特徴情報です。
③ 病歴が正しい理由
病歴は、個人情報保護法上の要配慮個人情報として明示されています。
個人情報保護委員会のガイドラインでは、病歴について、病気に罹患した経歴を意味するものとして整理されています。
公認心理師の実務では、心理支援の過程で医療・健康に関する情報を扱う場面があります。試験対策としては、単に「健康情報は重要」と覚えるのではなく、病歴が要配慮個人情報に含まれることを法的な分類として押さえておくことが重要です。
④ 生年月日が誤りの理由
生年月日は、氏名など他の情報と組み合わされることで個人を識別する情報となり得ます。
個人情報保護委員会のガイドラインでも、氏名や生年月日などの記述により特定の個人を識別できる情報は「個人情報」として整理されています。
しかし、生年月日そのものは、要配慮個人情報として列挙されている情報ではありません。
⑤ 基礎年金番号が誤りの理由
基礎年金番号は、個人情報保護法上の個人識別符号に含まれます。
個人識別符号が含まれる情報は個人情報に該当しますが、ここでも、個人識別符号だから要配慮個人情報になるわけではありません。
試験対策:「重要そうな情報」ではなく法的分類で解く
- 氏名・生年月日:個人を識別する記述として個人情報に関係する
- 掌紋から作られた一定の認証用特徴情報:個人識別符号
- 基礎年金番号:個人識別符号
- 病歴:要配慮個人情報
つまり、「個人を特定できるか」と「特に配慮を要する情報か」は別の軸です。
2026年現在のガイドラインでも、正答③は変わらない
第5回公認心理師試験は2022年に実施されました。
2026年8月時点で公表されている個人情報保護委員会の「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」でも、病歴は要配慮個人情報として明示されています。
また、同ガイドラインでは、本人認証に用いる一定の掌紋の特徴情報や基礎年金番号は個人識別符号として整理されています。
したがって、この設問については、現在のガイドラインを参照しても③ 病歴という結論は変わりません。
※この記事は公認心理師試験の学習を目的とした解説です。実務上の個別の個人情報取扱いについては、最新の法令・個人情報保護委員会ガイドライン、所属機関の規程等を確認してください。
まとめ
- 第5回公認心理師試験・午前問1の正答は③「病歴」
- 病歴は要配慮個人情報として法律上明示されている
- 氏名・生年月日は個人情報に関係するが、それだけで要配慮個人情報ではない
- 本人認証用に変換された一定の掌紋特徴情報は個人識別符号
- 基礎年金番号も個人識別符号
- 「個人識別符号」と「要配慮個人情報」を区別することがこの問題のポイント



コメント