公認理師資格試験 過去問解説 問9 C.R.Rogers のパーソナリティ理論

公認理師資格試験 過去問解説 問9 C.R.Rogers のパーソナリティ理論

第4回公認心理師試験の過去問や正答は以下のサイトで入手可能です。

【令和3年10月29日14時】第4回公認心理師試験(令和3年9月19日実施)合格発表|講習・試験・登録|一般財団法人 日本心理研修センター 公認心理試験

 

公認心理師資格試験の過去問をしっかりと振り返ることで「自分に必要な知識は何か」を知るための手がかりとしてくださいね!

 

 

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【問9】C. R. Rogers のパーソナリティ理論

問9 C. R. Rogers のパーソナリティ理論の特徴として、最も適切なものを1つ選べ。
① 自己概念を扱う。

② 精神−性発達を扱う。

③ パーソナリティ特性を5因子で捉えている。

④ リビドーの向かう方向で内向型と外向型に分類している。

⑤ パーソナリティ特性を外向−内向と神経症傾向という2軸で捉えている。

出典:第4回公認心理師試験(令和3年9月19日実施)|一般社団法人日本心理研修センター

 

正答は ①

 

① 自己概念を扱う

 

となります。

 

C. R. Rogers のパーソナリティ理論

C. R. Rogers(ロジャーズ)のパーソナリティ理論は、「来談者中心療法」を支える重要な理論で、自己について論じられています。

 

具体的なキーワードとしては、以下の3点が挙げられます。

  • 有機体(生活体) organism
  • 現象の場 phenomental field
  • 自己 self

 

1951年にロジャーズは『人格と行動についての理論』という論文を発表し、「19の命題」を提唱しました。

 

そのなかの命題7〜10までに「自己に関する理論」が含まれています。

命題7:行動を理解するためのもっとも有利な視点は、その個人自身がもつ内側からの視点(the internal frame of reference)によるものである。
命題8:全体に認知される場のある部分は、しだいに自己(the self)として分化されるようになる。
命題9:環境との相互作用の結果として、特に他者との評価的な相互作用の結果として、自己の構造が形成される-それは、「私 (“I”or“me”)」の特徴や関係についての知覚の、有機的で流動的な、しかし一貫した概念的パターンであり、そこにはその概念と結びついた価値観も含まれている。

出典:カウンセラーに求められる基本的態度①より一部抜粋して記載

 

ロジャーズのパーソナリティ理論に関する詳細は以下の文献が参考になりますよ!

 

詳細部分は割愛させていただきますが、「自己」「自己概念」について明確に述べられています。

 

選択肢の解説

残りの選択肢ですが、いずれも各理論の代表的な部分を要約した形で問題文が作られているため、理論の概要を知っていれば回答するのは簡単な問題構成になっています。

 

② 精神−性発達を扱う

「精神ー性発達」を扱うのは、フロイトによる心理性的発達理論ですね。

 

フロイトは人間のあらゆる活動に対する原動力を性的エネルギー(リビドー)からくるものと説明し、リビドーと精神発達との関連性を理論化しています。

 

このリビドーは単純に狭い意味での性的な欲求ということではなく、『身体器官によって得られる快感』といった意味合いがあります。

 

【フロイトの発達段階理論】

  • 口唇期
  • 肛門期
  • 男根期(エディプス期)
  • 潜伏期
  • 性器期

各発達段階で「固着(欲求が満たされずに発達段階がストップしてしまう)」が生じると、それぞれの段階に応じた性格が形成されると考えられています。

 

③ パーソナリティ特性を5因子で捉えている

パーソナリティ特性を5因子で捉えるという考え方は、特性論的アプローチ「5因子モデル」を表したものと考えられます。

 

「5因子モデル」とは、性格特性が5つの基本特性によって説明できるというもので、代表的なものとして「ビッグファイブ」があります。

 

ビッグファイブに関してはこちらの記事をご参照ください。

 

④ リビドーの向かう方向で内向型と外向型に分類している

リビドーが向かう方向で、「内向」「外向」と分類しているのは、ユングの類型論になります。

 

ユングは、精神的なエネルギー(≒リビドー)が内側に向かう人を「内向型」、外側に向かう人を「外向型」と分類しました。

 

内向=自分・主観に向かう

外向=他者・客観に向かう

 

加えて、心の機能として、「思考」「感情」「感覚」「直感」の4つを規定して、「内向ー外向」×「思考・感情・感覚・直感」の8類型で性格特性の説明を試みています。

 

⑤ パーソナリティ特性を外向−内向と神経症傾向という2軸で捉えている

パーソナリティ特性を外向ー内向と神経症傾向で捉えようとしたのは、アイゼンクの特性論になります。

 

アイゼンクはユングの向性(外向ー内向)に加えて、神経症傾向(安定ー不安定)という2つの軸で、パーソナリティ特性が把握できると考えました。

 

「向性」「神経症傾向」という2因子で性格を測定するための質問紙法心理検査として、モーズレイ性格検査(MPI)がありますね。

 

のちに、アイゼンクは上記2因子に加えて、「精神病傾向」を加えた3因子を規定しています。

 

ちなみに、この3因子を測定する心理検査はアイゼンク性格検査(EPI)となっています。

 



 

まとめ

第4回公認心理師資格試験の問9は、C.R.Rogers のパーソナリティ理論に関する問題でした❗️

 

代表的なパーソナリティ理論の概要が押さえられていれば回答できる比較的簡単な問題といえます。

 

以下のキーワードは押さえておきましょう。

  • ロジャーズ 「自己理論」 「自己」 「自己概念」
  • フロイト 「心理性的発達理論」「リビドー」
  • ユング 「類型論」 内向ー外向
  • アイゼンク 「向性(内向ー外向)」「神経症傾向」・・・MPI、 +「精神病傾向」・・・EPI