公認理師資格試験 過去問解説 問3 学生相談室:多職種連携(守秘義務)

公認理師資格試験 過去問解説 問3 学生相談室:多職種連携(守秘義務)

第4回公認心理師試験の過去問や正答は以下のサイトで入手可能です。

【令和3年10月29日14時】第4回公認心理師試験(令和3年9月19日実施)合格発表|講習・試験・登録|一般財団法人 日本心理研修センター 公認心理試験

 

公認心理師資格試験の過去問をしっかりと振り返ることで「自分に必要な知識は何か」を知るための手がかりとしてくださいね!

 

 

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【問3】学生相談室:多職種連携(守秘義務)

問3 大学の学生相談室のカウンセラーである公認心理師が、学内の保健管理センターの精神科医、障害のある学生を支援するコーディネーター、ハラスメント相談員やクライエントの所属学部の指導教員などと連携して行う支援について、最も適切なものを1つ選べ。

① 相談の秘密を守るため、できるだけ連携せずにすむ支援方法を工夫する。

② 情報の取扱方法について、情報共有する関係者の間で合意形成の必要はない。

③ 支援に関わる関係者と情報共有することをクライエントに説明し、同意を得る。

④ 個人情報保護の観点から、情報共有する関係者は学校に雇用された教職員である必要がある。

⑤ 説明し同意が得られた後は、情報共有の在り方に関するクライエントの要望は受け付けない。

出典:第4回公認心理師試験(令和3年9月19日実施)|一般社団法人日本心理研修センター

 

正答は ③

 

③ 支援に関わる関係者と情報共有することをクライエントに説明し、同意を得る

 

となります。

 

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多職種間の守秘義務

今回の問題は学生相談室を例に挙げていますが、「学生相談室のカウンセラーである公認心理師」「学内の保健管理センターの精神科医」「障害のある学生を支援するコーディネーター」「ハラスメント相談員やクライエントの所属学部の指導教員」といった多職種が連携して支援を行う場合の守秘義務の在り方について問うている問題です。

 

連携と秘密保持義務(守秘義務)については以下の記事を参考にしてくださいね💁🏻

 

 

 



 

選択肢の解説

① 相談の秘密を守るため、できるだけ連携せずにすむ支援方法を工夫する

公認心理師は、公認心理師法第42条において、関係者との連携が義務づけられています。

 

同様にして、公認心理師法第41条で、秘密保持が義務付けられており、この両者の葛藤状況が生じることはしばしばあります。

 

そのため、秘密保持義務に関しては例外状況、多職種との連携に関しては集団守秘義務という考え方が設定されています。

 

基本的には、適切なプロセスを経た上での要支援者に関わる専門家同士での情報共有はこのような例外状況に当たるとされています。

 

無闇やたりに情報共有をするわけではありませんが、秘密保持義務を優先しすぎて多職種連携をおざなりにしてしまうことはありません。

 

よって、選択肢①「相談の秘密を守るため、できるだけ連携せずにすむ支援方法を工夫する」は不適切な記述といえますね。

 

② 情報の取扱方法について、情報共有する関係者の間で合意形成の必要はない

適切なプロセスを経た上で要支援者に直接関わりのある専門家同士の情報共有は秘密保持義務(守秘義務)の例外状況に当たると説明してきました。

 

この適切なプロセスとは以下の内容が含まれます。

  • 要支援者(クライエント)の同意
  • 必要な情報のみに限定すること

 

注意すべきなのは、守秘義務の例外状況ではあるが、守秘義務がなくなったというわけではない点です。

 

集団で守秘義務を担うという考え方が正しいでしょう。

 

そのため、情報を共有する専門間で取り扱いについて合意形成をすることが重要になりますね。

 

よって、選択肢②「情報の取扱方法について、情報共有する関係者の間で合意形成の必要はない」は不適切な記述といえます。

 

③ 支援に関わる関係者と情報共有することをクライエントに説明し、同意を得る

こちらは選択肢②でも説明しましたが、専門家間での情報共有に際するプロセスとして、要支援者(クライエント)に「情報共有の目的」「伝える情報」などをあらかじめ説明して同意を得る必要があります。

 

そのため、選択肢③「支援に関わる関係者と情報共有することをクライエントに説明し、同意を得る」は正しい記述といえます。

 

④ 個人情報保護の観点から、情報共有する関係者は学校に雇用された教職員である必要がある

専門家間の情報共有では、要支援者と直接の関わりがある専門家であれば、他機関に所属する者もその対象に含まれます

 

大学の学生相談室の場合だと、要支援者が通院している医療機関や関わりのある福祉機関など、さまざまな機関との連携が必要となる場合があり得ますね。

 

よって、選択肢④「個人情報保護の観点から、情報共有する関係者は学校に雇用された教職員である必要がある」は不適切な記述です。

 

⑤ 説明し同意が得られた後は、情報共有の在り方に関するクライエントの要望は受け付けない

情報共有をする際には、「必要な情報のみに限定」される必要があることもあり、説明して同意を得たあとであっても要支援者の要望を最大限配慮する必要があります。

 

よって、選択肢④「説明し同意が得られた後は、情報共有の在り方に関するクライエントの要望は受け付けない」は不適切な記述です。

 



 

まとめ

第4回公認心理師資格試験の問3は、学生相談室:多職種連携(守秘義務)に関する問題でした❗️

 

専門家同士での連携や情報共有の倫理的側面を押さえておくことは非常に重要であるため、「守秘義務の例外状況」や「集団守秘義務」という知識を復習しておきましょう。