公認理師資格試験 過去問解説 問14 チャム・グループ
- 2023.02.04
- 公認心理師(第5回)
- 第5回公認心理師試験

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第5回公認心理師試験(令和4年7月17日実施)|一般社団法人日本心理研修センター
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問14 H. S. Sullivan の着想に基づく前青年期における互いの同質性を特徴とする仲間関係として、適切なものを 1 つ選べ。
① ピア・グループ
② チャム・グループ
③ ギャング・グループ
④ セルフヘルプ・グループ
⑤ エンカウンター・グループ
出典:第5回公認心理師試験(令和4年7月17日実施)|一般社団法人日本心理研修センター
チャム・グループ
チャム・グループ chum-group とは、
内面的な互いの類似性の確認による一体感(凝集性)を特徴とする。中学生あたりによく見られる仲良しグループである。
出典:心理臨床大事典|培風館
チャム・グループでは、興味・趣味・部活動などでの結びつきがあり、所属以外の内面的な部分でも、お互いの共通点や類似点を確かめ合うことが特徴とされます。
つまり、「お互いの同質性」に特徴づけられた関係性といえます。
ちなみに、このチャム・グループは、H. S. Sullivan(1953)によるチャム chum という言葉に対応する概念です。
よって、選択肢②「チャム・グループ」は、問題文「H. S. Sullivan の着想に基づく前青年期における互いの同質性を特徴とする仲間関係」に該当することがわかります。
選択肢の解説

①ピア・グループ
ピア・グループ peer-group とは、
内面的にも外面的にも、互いに自立した個人としての違いを認め合いながら共存できる状態である。
出典:心理臨床大事典|培風館
本問の正答でもある「チャム・グループ」としての関係に加えて、お互いの価値観・理想・将来の生き方などを語り合う関係が生じてくるグループといえます。
チャム・グループまでの「類似性」のみでなく、「異質性」もぶつけ合うなかで、他者との違いや自分自身を確立していくことが目標となります。
ちなみに、近しい用語として、ピア・サポート peer-support という概念もあります。
③ギャング・グループ
ギャング・グループ gang-group とは、
外面的な同一行動による一体感(凝集性)を特徴とする、小学校高学年ころ、青年期の発達課題である親からの第2の個体化のための仲間関係を必要としはじめる時期に現れる徒党集団である。
出典:心理臨床大事典|培風館
ギャング・グループでは、「同一行動による一体感」が特徴的で、集団における承認が非常に重要になってきます。
④セルフヘルプ・グループ
セルフヘルプ・グループ self-help group とは、
同じ問題をかかえる人たちが集まり、相互理解や支援をし合うグループ
出典:自助グループ|e-ヘルスネット
グループです。
代表的なものとして、アルコール依存症者による自助グループである「断酒会AA」があります。
⑤エンカウンター・グループ
エンカウンター・グループについては以下の通りです。
ロジャーズらは、1949年以来、カウンセラーの訓練に集中的グループ経験が有効であることに気づき、ワークショップでそれを用いていた。1960年ころからNTL(National Training Laboratories)のTグループの流れと交流が行われるようになり、やがてロジャーズはベーシック・エンカウンター・グループという名称を好んで使うようになった。
出典:心理臨床大事典|培風館
詳細は以下の記事をご覧ください!
まとめ
- ギャング・グループ:小学校高学年。外面的な同一行動による一体感を特徴とし、集団からの承認が重要視されるグループ。
- チャム・グループ:中学生。内面的な互いの類似性の確認による一体感を特徴とし、お互いの共通点や類似点を確かめ合うグループ。H. S. Sullivan の着想に基づく。
- ピア・グループ:お互いの価値観・理想・将来の生き方などを語り合う関係が特徴で、類似性・共通点・異質性をぶつけ合うなかで個人を確立していくグループ。
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