公認理師資格試験 過去問解説 問8 学習及び言語「モデリング」

公認理師資格試験 過去問解説 問8 学習及び言語「モデリング」

第4回公認心理師試験の過去問や正答は以下のサイトで入手可能です。

【令和3年10月29日14時】第4回公認心理師試験(令和3年9月19日実施)合格発表|講習・試験・登録|一般財団法人 日本心理研修センター 公認心理試験

 

公認心理師資格試験の過去問をしっかりと振り返ることで「自分に必要な知識は何か」を知るための手がかりとしてくださいね!

 

 

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【問8】モデリング

問8 大人の攻撃行動を観察していた幼児が、その後、同じ攻撃行動を示した。この過程を示す用語として、最も適切なものを1つ選べ。
① 洞察学習

② モデリング

③ 嫌悪条件づけ

④ シェイピング

⑤ オペラント条件づけ

出典:第4回公認心理師試験(令和3年9月19日実施)|一般社団法人日本心理研修センター

 

正答は ②

 

② モデリング

 

となります。

 

モデリング(観察学習)についてはこちらの記事を参照してくださいね。

 



選択肢の解説

  1. 洞察学習
  2. モデリング
  3. 嫌悪条件づけ
  4. シェイピング
  5. オペラント条件づけ

 

いずれの選択肢も条件づけ・学習に関するものになりますね。

 

洞察学習

洞察学習とはKöhler ケーラーが提唱した実際に経験せずとも頭の中だけで情報をまとめることで問題解決までの見通しを立てることができるという学習です。

 

嫌悪条件づけ

嫌悪条件づけ aversive conditioning とは、

嫌悪刺激を用いての一連の条件づけ手続きによって、ある特定の対象なりイメージ等に嫌悪感を形成することである。

出典:心理学辞典|有斐閣

とあります。

 

電気ショック、化学薬品、嫌なイメージなどを用いて、嫌悪感や不快感を形成していく条件づけですね。

 

今回の問題の場合、「攻撃行動」を「観察」した結果、「攻撃行動を行うこと」を学習したため、嫌悪感・不快感は形成されていないことになります。

 

よって、問題の回答としては不適切になりますね。

 

シェイピング

シェイピング shaping とは、

複雑で新しい行動を獲得させるために、標的行動をスモール・ステップにわけ、達成が容易なものから順に形成していく方法である。

出典:心理学辞典|有斐閣

とあります。

 

ざっくり理解するのであれば、学習ターゲットとなる行動を細かくわけて難易度の低い単純な行動から獲得を目指して強化していく方法になります。

 

スキナーによるオペラント技法のひとつに位置づけられていますね。

 

オペラント条件づけ

オペラント条件づけ operant conditioning とは、ざっくりと理解すると、

自発的な行動に強化刺激を随伴(ずいはん)させて、その反応が起こる頻度を変化させていく

というものです。

 

自発的な行動の生起頻度が変わるような結果を見出して、結果(強化刺激)を操作していくことで学習が進んでいくということになりますね。

 

なかには、先ほど説明したシェイピングのように、反応の内容自体を変化させていくような方法も含まれます。

 

オペラント条件づけでは、以下の分類を押さえておきましょう。

  • 反応の生起頻度 増加 = 強化
  • 反応の生起頻度 減少 = 
  • 結果として行動の生起頻度に関係するものが出現した場合 = 
  • 結果として行動の生起頻度に関係するものが消失した場合 = 

 

今回の問題では、「攻撃行動」を観察した後に、特になにも強化刺激が随伴していないと考えられるため、問題の回答としては不適切となりますね。

 



 

まとめ

第4回公認心理師資格試験の問8は、モデリングに関する問題でした❗️

 

以下のキーワードは押さえておきましょう。

  1. 洞察学習
  2. モデリング
  3. 嫌悪条件づけ
  4. シェイピング
  5. オペラント条件づけ