公認理師資格試験 過去問解説 問137 事例問題 GAD-7

公認理師資格試験 過去問解説 問137 事例問題 GAD-7

第3回公認心理師試験の過去問や正答は以下のサイトで入手可能です。

第3回公認心理師試験(令和2年12月20日実施)|一般社団法人日本心理研修センター

公認心理師資格試験の過去問をしっかりと振り返ることで「自分に必要な知識は何か」を知るための手がかりとしてくださいね!

【公認心理資格試験】試験勉強の仕方。ブループリントに記載されている出題割合で勉強の範囲を狭めない方がいい理由について解説します!

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問137 30 歳の男性 A、会社員。独身で一人暮らしである。Aは、職場での不適応感を訴えて精神科を受診した。幼少期から心配性と言われてきたが、ここ半年ほどでその傾向が一層強まってきた。仕事で失敗したり、失業したりするのではないか、重大な病気にかかっているのではないかなど気になって仕方がない。自分でも心配しすぎだと分かってはいるが、いらいらし、仕事にも集中できず、疲労がつのる。寝つきも悪く、しばしば早朝に覚醒してしまうこともある。

医師から A の状態をアセスメントするよう依頼された公認心理師が、 A に実施するテストバッテリーに含めるものとして、最も適切なものを1つ選べ。

① AQ-J

② CAPS

③ GAD-7

④ LSAS-J

⑤ Y-BOCS

出典:第3回公認心理師試験(令和2年12月20日実施)|一般社団法人日本心理研修センター
正答は ③GAD-7

選択肢の解説

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心理検査の概要

まずは選択肢に含められている5つの心理検査について、何を評価するものなのかをざっくりとでも理解している必要があります。

AQ-J日本語版自閉症スペクトラム指数自閉スペクトラム症(ASD)
CAPSPTSD臨床診断面接尺度心的外傷後ストレス障害(PTSD)
GAD-7全般性不安障害尺度全般性不安障害(GAD)
LSAS-Jリーボヴィッツ社交不安尺度社交不安障害(SAD)
Y-BOCSYale-Brown強迫観念・強迫行動尺度強迫性障害(OCD)

今回選択肢に含まれている心理検査は、いずれも各疾患に代表的な症状評価の尺度となっていますね。

このうち、「AQ-J」「LSAS-J」「Y-BOCS」については以下の記事に詳細が解説してありますので、ご参照ください。

事例の概要

事例問題では、はじめにざっくりと事例の概要を整理することが正解に導くための鍵となります。

本事例を整理すると以下のようになります。

  • 30代 男性 会社員
  • 職場での不適応感を訴えて精神科を受診
  • 仕事に関連する不安(仕事での失敗、失業するのではないか)
  • 病気への不安(重大な病気にかかっているのではないか)
  • 不安が不合理なものと理解しているが、不安のために「イライラ」「集中困難」「疲労感」あり
  • 入眠困難、早朝覚醒

本事例の症状に関するポイントは以下の通りです。

  • 複数の事柄への不安(仕事・病気)が存在している
  • 不安による「イライラ」「集中困難」「疲労感」がある
  • 睡眠障害がある(入眠困難・早朝覚醒)

上記のポイントは「全般性不安障害」の症状と類似しているものがあります。

そのため、全般性不安障害の症状が評価可能な「GAD-7」が本問の正答となります。

全般性不安障害に関しては以下の記事をご参照ください。