公認理師資格試験 過去問解説 問136 事例問題 アロマザリング

公認理師資格試験 過去問解説 問136 事例問題 アロマザリング

第3回公認心理師試験の過去問や正答は以下のサイトで入手可能です。

第3回公認心理師試験(令和2年12月20日実施)|一般社団法人日本心理研修センター

公認心理師資格試験の過去問をしっかりと振り返ることで「自分に必要な知識は何か」を知るための手がかりとしてくださいね!

【公認心理資格試験】試験勉強の仕方。ブループリントに記載されている出題割合で勉強の範囲を狭めない方がいい理由について解説します!

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問136 1歳の女児 A。A は離婚した母親 B と共に、B の実家で祖父母や叔母と住んでいる。実家の敷地内には、伯父夫婦やいとこが住んでいる家もある。昼過ぎから深夜にかけて仕事に出ているBに代わり、祖父母や叔母がときどき農作業の手を休めて、A の世話をしている。いとこたちが学校や幼稚園から帰宅すると、A は年長のいとこに見守られ、ときには抱っこされながら、夕食までの時間を過ごしている。

A に対する養育の解釈として、最も適切なものを1つ選べ。

① クーイング

② コーチング

③ マザリーズ

④ ミラーリング

⑤ アロマザリング

出典:第3回公認心理師試験(令和2年12月20日実施)|一般社団法人日本心理研修センター
正答は ⑤アロマザリング

まずはざっくりで良いのでジェノグラムを作成できることが大切です。

事例問題136のざっくりしたジェノグラム

本問題では、仕事で忙しい実母Bに代わって、祖父母・叔母・いとこなどがAの面倒を見ているような養育形態が何かと問われていることになります。

アロマザリング

アロマザリング allmothering とは、親以外の人間による子どもの世話を意味します。

つまり、血縁によらない養育を意味し、社会的養護の「里親」などの養育形態もアロマザリングに含まれることになります。

今回の事例問題では、Aの実父母が主で養育しているわけではなく、実母Bの両親である祖父母や兄弟姉妹の叔母、いとこが養育を担っていることから、アロマザリングといえますね。

選択肢の解説

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Photo by Min An on Pexels.com

①クーイング

クーイング cooing とは、生後6〜7ヵ月頃までの乳児が頻繁に発する音声のことを指します。

「アーウ」「アーアー」など発声の際に唇や舌を使わない独特な発声方法をしており、鳩の鳴き声に似ていることから名付けられました。

クーイングはおおよそ生後1〜3ヵ月頃に始まり、喃語よりも前の段階にあります。

本問題の回答としては不適切です。

②コーチング

コーチング coaching とは、

コーチングでは「答えを与える」のではなく「答えを創り出す」サポートを行います。 この考え方は「答えはその人の中にある」というコーチングの原則に基づいています。

出典:コーチングとは|一般社団法人日本コーチ連盟

とあります。

カウンセリングとは異なり、相手の気持ちを刺激して活性化させて行動に結びつけさせることが特徴で、本人の中にある納得した答えを導き出させる手法です。

こちらも本問題の回答としては不適切といえます。

③マザリーズ

マザリーズとは、乳幼児に対して自然と出てくる声かけの方法であり、「母親語」とも呼ばれています。

特徴としては以下の3点が挙げられます。

  • 高めのピッチ
  • ゆっくりとした速度
  • 大きめの抑揚

母親から乳幼児にするやわらかい言葉かけと思っていただければ理解しやすいと思われます。

④ミラーリング

心理学におけるミラーリングは、コミュニケーションをとっている相手の「非言語的な態度(仕草や音声、ジェスチャーなど)」や「よく使う言葉づかい」などを模倣することを指します。

こちらも今回の問題とは関係ない選択肢となりますね。