公認理師資格試験 過去問解説 問120 慢性疲労症候群
- 2023.01.27
- 公認心理師(第3回)
- 心身症, 第3回公認心理師試験
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第3回公認心理師試験(令和2年12月20日実施)|一般社団法人日本心理研修センター
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問120 慢性疲労症候群について、不適切なものを1つ選べ。
① 男性より女性に多い。
② 筋肉痛がよくみられる。
③ 睡眠障害がよくみられる。
④ 6か月以上持続する著しい倦怠感が特徴である。
⑤ 体を動かすことによって軽減する倦怠感が特徴である。
出典:第3回公認心理師試験(令和2年12月20日実施)|一般社団法人日本心理研修センター
となります。
慢性疲労症候群とは
まずは慢性疲労症候群の定義を確認してみましょう。
慢性疲労症候群(chronic fatigue syndrome: CFS)は原因不明の慢性的な疲労の病因・病態の解明を目的に1988年にCDCにより提唱された比較的新しい疾患概念
出典:厚生労働省(旧厚生省)慢性疲労症候群診断基準
つまり、慢性疲労症候群とは、身体的疾患で説明できない疲労感が長期間続いて日常生活に支障をきたす状態を指します。
また、別名「筋痛症性脳脊髄炎」ともいわれます。
慢性疲労症候群では以下のような症状が特徴的とされます。
- 全身倦怠感
- 微熱
- リンパ節腫脹
- 頭痛
- 筋力低下
- 睡眠障害
- 思考力・集中力の低下
選択肢の解説
①男性より女性に多い
慢性疲労症候群の男女比はおよそ1:4で女性が多く、特に若い年齢の女性に多いとされています。
よってこちらの選択肢は適切な記述といえます。
②筋肉痛がよくみられる
慢性疲労症候群では、全身または身体の一部に激しい運動をした後のような筋肉痛があらわれて動くことが難しくなることがあります。
よって選択肢②「筋肉痛がよくみられる」は適切な記述といえます。
③睡眠障害がよくみられる
慢性疲労症候群の特徴として、睡眠障害(主に入眠困難)が併存しやすいということがあります。
よって選択肢③「睡眠障害がよくみられる」は適切な記述といえます。
④6か月以上持続する著しい倦怠感が特徴である
慢性疲労症候群の診断がなされる重要な基準として、
6ヵ月以上続く、日常生活に支障を来すような疲労感や倦怠感
があげられます。
よって、選択肢④「6か月以上持続する著しい倦怠感が特徴である」は正しい記述といえます。
⑤体を動かすことによって軽減する倦怠感が特徴である
ここまでの選択肢が正しい記述なので、こちらの選択肢は消去法でも不適切といえます。
典型的な慢性疲労症候群では、効果的な方法は確立されておらず、薬物療法や漢方で経過を見るか、時間経過によって症状が改善するのを見守ることになります。
そのため、体を動かすことによって倦怠感が軽減することはほとんどなく、むしろ症状が強くなる可能性もあります。
以上のことから、選択肢⑤「体を動かすことによって軽減する倦怠感が特徴である」は不適切な記述といえます。
まとめ
- 慢性疲労症候群とは身体的疾患で説明できない疲労感が長期間続いて日常生活に支障をきたす状態。
- 6ヵ月以上続く強い疲労感や倦怠感が特徴で、全身倦怠感、微熱、リンパ節腫脹、頭痛、筋力低下、睡眠障害、思考力・集中力の低下が認められる。
- 男女比はおよそ1:4で女性が多く、特に若い年齢の女性に多い。
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