公認理師資格試験 過去問解説 問20 職場のメンタルヘルス対策
- 2023.09.08
- 公認心理師(第5回)
- 産業・組織, 第5回公認心理師試験
第5回公認心理師試験の過去問や正答は以下のサイトで入手可能です。
第5回公認心理師試験(令和4年7月17日実施)|一般社団法人日本心理研修センター
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問20 職場におけるメンタルヘルス対策として、G. Caplan の予防モデル に基づく二次予防に該当するものを 1 つ選べ。
① 職場復帰支援プランの作成
② 高ストレス者への医師による面接指導
③ メンタルヘルスケアに関する研修の実施
④ 過重労働対策としての労働時間の上限設定
⑤ 疾病を抱える労働者への治療と仕事の両立支援
出典:第5回公認心理師試験(令和4年7月17日実施)|一般社団法人日本心理研修センター
G. Caplan の予防モデル
公認心理師必携テキストに「Caplanの予防の分類」についてわかりやすい記載があるので引用します。
問題の発生自体を防ぐ第1次予防
出典:公認心理師必携テキストより一部抜粋
ハイリスクな人々に対して早期発見・早期介入をする第2次予防
すでに問題を抱える人に対して、悪化やさらなる不利益をこうむらないために行う第3次予防
まとめると、以下のようになります。
- 1次予防:そもそも問題が発生する前に行われる予防的介入
- 2次予防:問題の早期発見と早期介入(危機介入)
- 3次予防:問題が生じた後に悪化を防ぐための介入
これを職場でのメンタルヘルスに置き換えて簡単に整理すると以下のようになります。
- 1次予防:職場でのメンタルヘルス不調の未然防止の対策
- 2次予防:メンタルヘルス不調の早期発見・早期介入(治療)
- 3次予防:メンタルヘルス不調者の職場復帰支援
選択肢の解説
1次予防
職場での1次予防は、メンタルヘルス不調が生じていない状態の労働者に対して、予防的な取り組みとして行うものが含まれます。
そのため、選択肢の中では以下のものが該当するでしょう。
- メンタルヘルスケアに関する研修の実施
- 過重労働対策としての労働時間の上限設定
一般的にも、事前の研修や環境の設定が1次予防となります。
以上のことから、選択肢③と④は本問題の正解からははずれることがわかります。
2次予防
職場での2次予防は、メンタルヘルス不調の早期発見と早期介入(治療開始)に焦点が当てられています。
そのため、選択肢の中では以下のものが該当するでしょう。
- 高ストレス者への医師による面接指導
1次予防としてのストレスチェックなどでリスクが高いと判断された場合、早期の介入に繋げられるように、専門家の面談が入ることなどが2次予防となります。
以上のことから、選択肢②が本問題の正答とわかります。
3次予防
職場での3次予防は、再発防止の観点が重要視されるため、職場復帰支援などが含まれます。
そのため、選択肢の中では以下のものが該当するでしょう。
- 職場復帰支援プランの作成
- 疾病を抱える労働者への治療と仕事の両立支援
職場復帰支援は代表的な3次予防と考えられます。
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