第5回公認心理師試験・午前問17は、WAIS-IVの下位検査と制限時間について問う問題です。
正答は④「行列推理」です。
この問題で重要なのは、「時間を意識して実施する検査か」ではなく、厳格な制限時間が設定されているかを区別することです。
問17の正答は④「行列推理」
問題は、WAIS-IVにおいて制限時間のない下位検査を1つ選ぶという内容です。
- ① 算数
- ② パズル
- ③ 絵の完成
- ④ 行列推理
- ⑤ バランス
正答は④ 行列推理です。
より正確に言うと、行列推理には回答時間の目安となるガイドラインはありますが、他の選択肢のような厳格な項目制限時間は設定されていません。
まず5つの下位検査を整理する
日本版WAIS-IVは、全検査IQに加えて、言語理解、知覚推理、ワーキングメモリー、処理速度という4つの指標得点を算出する検査です。
| 選択肢 | WAIS-IVでの位置づけ | 本問での時間の扱い |
|---|---|---|
| ① 算数 | ワーキングメモリー指標の基本検査 | 制限時間あり |
| ② パズル | 知覚推理指標の基本検査 | 制限時間あり |
| ③ 絵の完成 | 知覚推理指標の補助検査 | 制限時間あり |
| ④ 行列推理 | 知覚推理指標の基本検査 | 厳格な制限時間なし |
| ⑤ バランス | 知覚推理指標の補助検査 | 制限時間あり |
① 算数が誤りの理由
算数は、WAIS-IVのワーキングメモリー指標を構成する基本下位検査の1つです。
Pearsonの公式実施資料では、算数についてストップウォッチを使用し、項目の制限時間で終了することが示されています。
したがって、「制限時間のない下位検査」には該当しません。
② パズルが誤りの理由
パズルは、知覚推理指標を構成する基本下位検査です。
Pearsonの公式FAQでは、パズル(Visual Puzzles)には厳格な制限時間があることが説明されています。
そのため②は誤りです。
③ 絵の完成が誤りの理由
絵の完成は、知覚推理指標に含まれる補助下位検査です。
Pearsonの公式実施資料では、絵の完成についてもストップウォッチを使用し、項目の制限時間で終了することが示されています。
したがって③も正答ではありません。
④ 行列推理が正しい理由
行列推理は、知覚推理指標を構成する基本下位検査です。
PearsonのWAIS-IV公式FAQでは、パズルやバランスには厳格な制限時間がある一方で、行列推理には厳格な制限時間は不要と説明されています。
ただし、ここで「時間を全く考慮しない」と覚えるのは正確ではありません。公式FAQでは、行列推理には30秒を目安とするガイドラインが示されています。
つまり、本問でいう「制限時間のない」とは、一定時間を超えたら必ずその項目を終了するような厳格な時間制限がないという意味で理解するとよいでしょう。
⑤ バランスが誤りの理由
バランスは、16~69歳を対象とする知覚推理指標の補助下位検査です。
Pearsonの公式FAQでは、バランス(Figure Weights)はパズルと同様に厳格な制限時間がある下位検査として説明されています。
そのため⑤も誤りです。
試験対策:「制限時間」と「時間の目安」を分ける
この問題は、行列推理を単純に「時間と無関係な検査」と覚えると、実施上の理解が不正確になります。
整理すると、
- 算数・パズル・絵の完成・バランス:項目の制限時間が設定されている
- 行列推理:厳格な制限時間はないが、回答時間についてのガイドラインはある
したがって、試験問題の表現に沿えば④ 行列推理が正答です。
下位検査の所属も一緒に覚える
今回の選択肢は、制限時間だけでなく、WAIS-IVの指標構成と合わせて整理すると覚えやすくなります。
- 算数 → ワーキングメモリー指標(WMI)
- 行列推理・パズル → 知覚推理指標(PRI)の基本検査
- バランス・絵の完成 → 知覚推理指標(PRI)の補助検査
日本文化科学社の日本版WAIS-IV製品情報でも、この下位検査構成が示されています。
まとめ
- 第5回公認心理師試験・午前問17の正答は④「行列推理」
- 算数・パズル・絵の完成・バランスには制限時間がある
- 行列推理には厳格な制限時間がない
- ただし、行列推理にも回答時間の目安となるガイドラインはある
- 「厳格な制限時間」と「時間の目安」を区別することが本問のポイント


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