公認理師資格試験 過去問解説 問11 嚥下反射の中枢
- 2023.01.24
- 公認心理師(第5回)
- 第5回公認心理師試験, 脳・神経の働き
第5回公認心理師試験の過去問や正答は以下のサイトで入手可能です。
第5回公認心理師試験(令和4年7月17日実施)|一般社団法人日本心理研修センター
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問11 嚥下反射の中枢が存在する部位として、最も適切なものを 1 つ選 べ。
① 延髄
② 小脳
③ 中脳
④ 辺縁系
⑤ 視床下部
出典:第5回公認心理師試験(令和4年7月17日実施)|一般社団法人日本心理研修センター
嚥下反射とは
「嚥下(えんげ)」とは、食べ物や水分を飲み込む一連の流れを指します。
もう少し詳しく説明すると、食べ物を口に入れて飲み込みやすい形に咀嚼してから、喉→食道→胃まで流れる過程となります。
嚥下(えんげ)
食べ物・水分が、口→喉→食道→胃まで運ぶ一連の流れ
嚥下は以下の段階に分けられます。
- 先行(認知)期:目・鼻などの感覚器官で食べ物を認識し口に運ぶ
- 準備期:口のなかで食べ物を噛み、飲み込みやすい大きさにする
- 口腔期:食べ物を舌を使って喉の奥に運ぶ
- 咽頭期:「嚥下反射」によって咽頭→食道に運ばれる
- 食道期:食道→胃に運ばれる
嚥下反射は嚥下のなかでも、咽頭から食道に運ばれる過程で生じる機能となっています。
喉の奥には「気管(きかん)」という肺につながる空気の通り道がありますが、嚥下反射ではこの気管に咽頭蓋と呼ばれるふたをすることで、食べ物・水分が気管に入り込まないようにして、食道まで運ぶ機能をさします。
咽頭を通過する段階は1秒にも満たないですが、この嚥下反射がうまく機能しないと、「誤嚥(ごえん)=気管に入り込む」が生じてしまうため、非常に重要な機能といえます。
嚥下反射
「気管」に咽頭蓋というふたをすることで、気管に入り込むこと(誤嚥)を防ぎ、食道まで運ばれるようにする機能
つまり、「食べ物」と「呼吸」の切り替えをつかさどる。
嚥下反射の中枢
嚥下にはさまざまな神経系が関係していますが、嚥下反射にもっとも関係するのは「舌咽神経」と「迷走神経」の2つになります。
また、この嚥下反射の中枢となっているのは「脳幹の延髄」であることがわかっています。
「延髄」には嚥下反射以外にも人間の生命を維持するために必要な重要な機能の中枢となっています。
【延髄の機能】
- 呼吸
- 嘔吐
- 嚥下
- 消化
- 心拍数の調整
まとめ
- 嚥下とは、食べ物・水分が、口→喉→食道→胃まで運ぶ一連の流れ
- 嚥下反射は、嚥下の咽頭期において、「気管」に咽頭蓋というふたをすることで、気管に入り込むこと(誤嚥)を防ぎ、食道まで運ばれるようにする機能(「食べ物」と「呼吸」の切り替え)
- 嚥下反射の中枢は、脳幹の延髄
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