公認理師資格試験 過去問解説 問25 いろいろなホルモンの作用について

公認理師資格試験 過去問解説 問25 いろいろなホルモンの作用について

第4回公認心理師試験の過去問や正答は以下のサイトで入手可能です。

【令和3年10月29日14時】第4回公認心理師試験(令和3年9月19日実施)合格発表|講習・試験・登録|一般財団法人 日本心理研修センター 公認心理試験

公認心理師資格試験の過去問をしっかりと振り返ることで「自分に必要な知識は何か」を知るための手がかりとしてくださいね!

【公認心理資格試験】試験勉強の仕方。ブループリントに記載されている出題割合で勉強の範囲を狭めない方がいい理由について解説します!

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【問25】いろいろなホルモンの作用について

問25 ホルモンの作用の説明として、正しいものを1つ選べ。
① メラトニンは睡眠を促す

② インスリンは血糖値を上げる

③ 副腎皮質ホルモンは血圧を下げる

④ プロラクチンは乳汁分泌を抑制する

⑤ 抗利尿ホルモンは血中のナトリウム濃度を上げる

出典:第4回公認心理師試験(令和3年9月19日実施)|一般社団法人日本心理研修センター

正答は ①

① メラトニンは睡眠を促す

選択肢の解説

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本問題ではさまざまなホルモンについての包括的な知識が必要となります。

①メラトニンは睡眠を促す

まずはメラトニンについて確認していきましょう。

メラトニン melatonin は、脳内の松果体から分泌されるホルモン物質で、睡眠・覚醒リズム概日リズムなど生体リズムの調整に関係があります。

詳しくは以下の解説記事を参考にしてください。

メラトニンに関する詳細な解説を行っています!

メラトニンは睡眠を促す作用のあるホルモンであるため、選択肢①「メラトニンは睡眠を促す」は正しい記述となります。

②インスリンは血糖値を上げる

インスリン insulin は膵臓内にあるランゲルハンス島のβ細胞から分泌されるホルモン物質で、糖の代謝を調節する働きがあります。

具体的には、食後に血糖値が上昇するとインスリンが分泌され、インスリンと結合した細胞が血液中のブドウ糖を取り込むことによって、血糖値を下げる役割を果たします。

ちなみに、ホルモンのなかで血糖値を下げる働きを持っているのはインスリンのみとなっています。

このインスリンがうまく作用しなくなると、糖尿病発症へと繋がってしまいます。

以上のことから、選択肢②は不適切とわかります。

③副腎皮質ホルモンは血圧を下げる

副腎皮質ホルモンとは、腎臓の上に位置する副腎皮質から産出されるホルモンの総称です。

代表的な副腎皮質ホルモンは、コルチゾール、アルドステロン、アンドロゲンなどが挙げられます。

いずれも免疫系やストレスに関連しています。

基本的には、大きなストレスがかかった際に身体を保護するために、全身の血管を収縮させるなど血圧を上昇させたり、血糖値を上昇させるなどの作用があります。

よって、選択肢③は不適切となります。

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④プロラクチンは乳汁分泌を抑制する

プロラクチン prolactin とは、乳腺刺激ホルモンとも呼ばれ、脳下垂体から分泌され、乳汁の産出や分泌を調整する機能があります。

乳汁分泌を促進する働きがあります。

よって、選択肢④「プロラクチンは乳汁分泌を抑制する」は不適切な選択肢といえます。

⑤抗利尿ホルモンは血中のナトリウム濃度を上げる

抗利尿ホルモン antidiuretic hormone(ADH)は、脳下垂体から分泌され、利尿を妨げる働きがあります。

バソプレシン vasopressin とも呼ばれます。

この抗利尿ホルモンの分泌が増加すると、尿量が減少し、血中のナトリウム濃度は下がります

よって、選択肢⑤「抗利尿ホルモンは血中のナトリウム濃度を上げる」は不適切な選択肢といえますね。