公認理師資格試験 過去問解説 問96 Clinical Dementia Rating

公認理師資格試験 過去問解説 問96 Clinical Dementia Rating

第3回公認心理師試験の過去問や正答は以下のサイトで入手可能です。

第3回公認心理師試験(令和2年12月20日実施)|一般社団法人日本心理研修センター

 

公認心理師資格試験の過去問をしっかりと振り返ることで「自分に必要な知識は何か」を知るための手がかりとしてくださいね!

 

 

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【問96】Clinical Dementia Rating

問96 Clinical Dementia RatingCDRについて、正しいものを1つ選べ。

① 介護必要度に関する評価はしない。

② 質問調査による他者評価尺度である。

③ 健常と認知症の境界は、0.5 点である。

④ 判定には、家族からの情報は考慮されない。

⑤ 人の見当識障害は、中等度障害と判定される。

出典:第3回公認心理師試験(令和2年12月20日実施)|一般社団法人日本心理研修センター

 

正答は ③

 

③ 健常と認知症の境界は、0.5 点である

となります。

 

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Clinical Dementia Rating

Clinical Dementia Rating(CDR)は、臨床認知症評価法という名の通り、半構造化面接によって認知症の重症度を評価する観察法です。

 

以下の記事で詳細を紹介していますので、初めて聞いたという方は是非ご参照ください!

 

選択肢の解説

① 介護必要度に関する評価はしない

CDRでは、最終的に、「記憶」「見当識」「判断力・問題解決」「社会適応」「家庭状況・興味関心」「介護状況」という6つの項目を評価していくことになります。

 

「介護状況」の評価の際には、身の回りの生活のケアが自分で可能なのか、あるいは、介助や介護が必要な状態なのかを評価していくことになります。

 

よって、選択肢①「介護必要後に関する評価はしない」は誤りとなりますね。

 

② 質問調査による他者評価尺度である

CDRは被験者および情報提供者に対して対面で実施する半構造化面接法となります。

 

そのため、選択肢②「質問調査による他者評価尺度である」は不適切な回答となります。

 

③ 健常と認知症の境界は、0.5 点である

CDRでは、「健康(CDR0)」「認知症疑い(CDR0.5)」「軽度認知症(CDR1)」「中等度認知症(CDR2)」「重度認知症(CDR3)」という5段階で、先ほどあげた6項目を評価することとなります。

 

評価としては、

「認知症疑い(CDR0.5)」=軽度認知機能障害(MCI) 相当

と考えられています。

 

CDR0〜0.5が健康、0.5〜が認知症と考えるのが妥当でしょう。

 

よって、選択肢③「健常と認知症の境界は、0.5点である」は正しい回答といえますね。

 

④ 判定には、家族からの情報は考慮されない

CDRでは、情報提供者から被検査者の行動を評価してもらうことになります。

 

この情報提供者には、家族・介護者などが含まれているため、選択肢の記述は不適当となりますね。

 

よって、選択肢④「判定には、家族からの情報は考慮されない」は誤った回答となります。

 

⑤ 人の見当識障害は、中等度障害と判定される

見当識障害の評価はざっくり理解すると以下のようになります。

 

  • CDR0 = なし
  • CDR0.5 = なし
  • CDR1 = 時間の見当識障害あり 場所・人の見当識障害は保たれている
  • CDR2 = 常に時間の見当識障害あり、ときに場所の見当識障害も見られる
  • CDR3 = 人の見当識障害あり

 

人の見当識障害はCDR3(重度認知症)と判定されるということになりますね。

 

よって、選択肢⑤「人の見当識障害は、中等度障害と判定される」は間違った回答となります。

 



 

まとめ

第3回公認心理師資格試験の問96は、Clinical Dementia Rating:CDRについて問題でした❗️

 

CDRは認知症を評価するための半構造化面接による評価となっていますが、被検査者のみでなく家族や介護者などの情報提供者から客観的な行動を評価してもらうという部分が特異的な検査です。