公認心理師資格試験 過去問解説 問51 インシデント・レポート
- 2021.06.20
- 資格試験
- 保健医療領域, 第3回公認心理師試験

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第3回公認心理師試験(令和2年12月20日実施)|一般社団法人日本心理研修センター
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【問51】インシデント
問51 入院患者が公認心理師の面接を受けるために、病棟の面接室に車椅子で入室した。車椅子から面接室の椅子に移乗する際に看護師と公認心理師が介助したが、車椅子から転落した。健康被害は起こらなかった。
それを診断した主治医の他に、インシデントレポートの作成者として、適切なものを2つ選べ。① 看護師
② 病院長
③ 公認心理師
④ 病棟看護師長
⑤ 医療安全管理責任者
①看護師 ③公認心理師
となります。
インシデント
インシデント Incident は以下のように定義されています。
日常診療の場で、誤った医療行為などが患者に実施される前に発見されたもの、あるいは、誤った医療行為などが実施されたが、結果として患者に影響を及ぼすに至らなかったものをいう。
出典:2002年 厚生労働省 医療安全対策検討会議
つまり、医療現場で起きてしまった事象(事故)のうち患者さんに影響を及ぼすことがなかったものを意味しています。
インシデントを適切に報告することは、医療事故の再発防止や安全管理の観点からも重要です。
概ね以下のように分類されています。
レベル0 |
事象が発生する前に気が付いた
|
レベル1 |
事象が発生したが、患者に影響がなかった
|
レベル2 |
事象によって患者に一時的な観察、または検査が必要になったが、治療の必要はなかった
|
発生する前に気が付くレベル0に関しては、別名として、ヒヤリ・ハットとも呼ばれます。
ここでもわかるように、誤った医療行為が実施される前に発見された場合や、実際に誤った医療行為は実施されたが患者さんに治療の必要性が生じなかったものがインシデントとなりますね。
アクシデント
医療に関わる場所で医療の全過程において発生する人身事故一切を包含し、医療従事者が被害者である場合や廊下で転倒した場合なども含む。
出典:2002年 厚生労働省 医療安全対策検討会議
アクシデントはインシデントよりも深刻で、誤った医療行為によって「治療の必要性が生じた場合」「何らかの障害が残ってしまう場合」「死因と関係している場合」などが含まれます。
インシデントの分類から継続して、アクシデントは概ね以下のように分類されています。
レベル3a | 事象が発生したことにより一時的な治療が必要となった |
レベル3b | 事象が発生したことにより継続的な治療が必要となった |
レベル4a | 事象が発生したことにより長期間の治療が必要となった(機能障害はない) |
レベル4b | 事象が発生したことにより障害が永続的に残った |
レベル5 | 事象が死因と関連している |
選択肢の解説
インシデントが発生した場合は、実害の有無に関わらず速やかに報告(インシデントレポート)を書くことが原則です。
インシデントレポートは反省文ではなく、再発防止のために具体的な状況やその際行われるべき適切な行為についての報告を行います。
医療機関によってレポートのフォーマットは異なっていますが、概ね以下ののような項目を記載します。
- インシデントの概要
- 当事者(インシデントを発生させた人)の経験年数
- 患者情報
- インシデントの種類
- 患者への影響
- インシデントが発生した背景
今回の問題では、「車椅子を使用している患者さんが心理面接を受けるために病棟の面接室に車椅子で入室し、車椅子から面接室の椅子に移乗する際に転落した」というのがインシデントの概要と考えられます。
また「車椅子から転落したことによる健康被害は生じなかった」とあるので、レベル1かあるいはレベル2のインシデントといえます。
インシデントの報告者は、インシデントを発生させた当事者のみではなく、発見者と関係者も記載することになります。
患者さんを直接介助していた『看護師』と『公認心理師』は当事者であり発見者に該当します。インシデントを受けて患者さんの身体状態を診察した主治医は関係者となりますね。
状況やインシデントの種類によっては、病棟を管理する病棟看護師長も関係者に含まれる可能性があります。
今回の問題では、2名しか選択ができないため、当事者に該当する「①看護師」と「③公認心理師」を選択するのが適切と言えるでしょう。
まとめ
第3回公認心理師資格試験の問51は、インシデントレポートに関する問題でした❗️
まずはインシデントとアクシデントの分類を明確に理解したうえで、再発防止・医療安全の観点から適切なレポートを作成することが重要でしょう。
今回の問題のキーワードは以下の通りです。
キーワード・インシデント:医療現場で起きてしまった事象(事故)のうち患者さんに影響を及ぼすことがなかったもの
・アクシデント:医療現場で起きてしまった事象(事故)によって「治療の必要性が生じた場合」「何らかの障害が残ってしまう場合」「死因と関係している場合」
・レポート作成者:当事者(インシデントを発生させた者)、発見者、関係者
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