「先延ばし」でお困りの方必読!現役心理職夫婦が日々実践している「先延ばし」対策を公開します

「先延ばし」でお困りの方必読!現役心理職夫婦が日々実践している「先延ばし」対策を公開します

これまで「先延ばし」に関連する記事をいくつか書いてきました。

 

どうしてここまで「先延ばし」にこだわったのか・・・。

 

ズバリ言いますが、わたしたちは夫婦どちらも「先延ばし」がかなり多いのです!

 

この記事では「先延ばし」の介入事例ということで、われわれ心理屋夫婦の日常を事例として、日頃行っている「先延ばし」に役立ちそうな考え方や対策を記事にしてみます。

 

こんな人におすすめ

家族の誰かが「先延ばし」がひどくて困っている!!

 

先延ばしについてはこちら💁🏻

【先延ばし】先延ばしは自己調節の失敗。最も影響するのは『衝動性』の問題だった!Temporal Motivation Theoryについて解説します。

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『最低』という合言葉と習慣化

ここでの「最低」とは、最低限でいいという意味です。

 

「先延ばし」傾向のある人は、最初の一歩が踏み出しにくいですよね。

 

なのに、タスクに取り組もうと思い立ったときは、完璧にやろうとしてしまいがちです。

 

そこで、

”目標の細分化(目標をできるかぎり小さなステップにわけて考える)”

というルールにもとづいて夫婦間での合言葉を決めました。

 

掃除を例にしてステップを細かくわけてみる

ここでは”掃除”を例にあげて説明してみます。

”掃除”は、「先延ばし」者にとっては、先延ばすほどやるべきことが多くなりどこから手をつけて良いかわからなくなるタスクです。

 

「先延ばし」の結果、『我慢の限界に達して、最終的に夜遅くまで一気に取り組む』なんてことは、「先延ばし」者であれば、誰しも経験があることでしょう。

 

そこで、今回紹介した『最低』の考え方を実践してみます。

 

”掃除”の一般的な目標は、「すべての場所を綺麗にする」ことですが、「最低」の考え方の場合、「すべて」を細かい要素にわけます

 

”掃除”を細かい要素にわけて考えると、

(1)掃除する場所(リビング・台所・風呂場・トイレなど)

(2)掃除のやり方(不要な物を片付ける・クイックルワイパーをかける・掃除機をかけるなど)

にわけることができます。

 

次に、細かくわけた要素から、その日の目標となるタスクを設定します。目標となるタスクを決めるときのコツは、1番小さいタスクに設定することです!

 

今回の場合、目標を細分化して1番小さいタスクを設定すると、「掃除をする」というあいまいで大きな目標ではなく、「リビングの不要な物を片付ける」という具体的で小さな目標になります。

 

目標を細かく具体的に設定することで、目の前のハードルが具体的で小さく取り組みやすいものとなり、最初の一歩が踏み出せる確率があがります。

 

その小さな一歩が踏み出せなくて困ってる・・・

そうおっしゃる方も多いと思います。まだまだ目標のハードルが高いのかもしれません。

 

それでも一歩が踏み出せずタスクに取り組むことができない場合の対応はシンプルで、今のタスクをさらに細かくわけて目標を設定しなおす』だけです。

 

「リビングの不要な物を片付ける」をさらに細かくして、「リビングのテーブルの上の物を片付ける」といった具合です。

 

「すべての場所を綺麗にする」という”掃除”のもともとの目標からすれば、全く完璧ではなく極々小さな一歩なのですが、「先延ばす」よりは1つ行動ができて前に進むと考えています。

 

今回は”掃除”を例にあげましたが、すべてのタスクにおいて、

 

目標を細分化して、小さい1歩を踏み出すことを習慣化する

 

ことは「先延ばし」を減らすために効果的といえます。

 

ここまでのポイント目標をできるだけ細かく具体的で取り組みやすいタスクにすること。

設定したタスクに取り組めないのであれば、さらに細かく小さいタスクにわけること。

小さい一歩を毎日行うことで習慣化すること。

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「先延ばし」をしている間はタスクを完璧に回避すること

「先延ばし」をしているとき、「できていない自分」に対する恥ずかしさや「やるべきタスクを終えていないのに他のことをしている」罪悪感といったネガティブな感情が生じることがあります。

 

先延ばしとネガティブな感情の関係性はこちら


この恥ずかしさや罪悪感は、タスクをこなして望む結果を得られるという自信(自己効力感)を減らし、さらに「先延ばし」を増やすという悪循環につながります

 

そこで我が家でのルールとしては、何かやるべきタスクがある際に、

 

頭の中にそのタスクが全く思い浮かばないくらい他ごとに没頭できているときはそれでよし。
反対に、頭に少しでも浮かんでくるときは、タスクに取り組むこと。

としています。

 

つまり、「先延ばし」自体を防ぐことはできなくても、ネガティブな感情によってさらに「先延ばし」が増えるという悪循環につながるリスクを最小限にするように努めています。

 

ネガティブな感情がまったく伴わないのであれば、むしろ「先延ばし」ではなく、以前記事にしたような「戦略的な遅延」となるのかもしれません。

 

タスクに取り組むことが遅れることは変わらないのですが、

悪循環にはまらないため、期限内に終わらせることができる確率があがる

ネガティブな考えや気持ちが減るため、タスクに取り組む意欲も保たれる

 

頭にネガティブな考えや感情が浮かんできてしまう場合は、先ほど説明した「最低」の考え方に沿って、1つのタスクを完璧に終わらせようとせずに細かくして最初の1歩を取り組むことが大切です。

 

ここまでのポイント

「先延ばす」ことによって、頭に浮かんでくるネガティブな考えや感情を完全に回避できるのであれば、「先延ばし」をしても構わない。

ネガティブな考えや感情が浮かんでくるときは、タスクを細かくわけて「最低限」取り組むようにする。

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できない自分を受け入れること

後編でも説明しましたが、「先延ばし」は、「タスクをこなすことができない自分」という不快な体験を回避するという側面があります。

 

そのため「できない自分を受け入れる」ことができれば、「先延ばし」を打開することが可能かもしれません。

 

ここで重要なことは、

「できない自分を受け入れる」 =「自分は何もできない」というわけではない

ということです。

 

Yamashunはこの話を野球の喩えで説明することが多いです。

 

 

「先延ばし」傾向の強い人がタスクにすぐに取り組んで終わらせることは、「逆転満塁サヨナラホームランを打ちヒーロになる」ようなものだと考えています。

 

小さな目標を1つずつ取り組んでいく「先延ばし」への工夫は、野球で喩えれば、「安打をコツコツと積み重ねる」作業といえます。

 

「自分が何もできない」ことを受け入れるわけではなく、「自分は逆転満塁サヨナラホームランを打つことができる強打者ではない」ということを受け入れるだけです。

 

ヒーローになるこだわりを捨てれば、「安打を積み重ねていくタイプの打者」にはなれます。

 

考え方1つですぐに解決できる話ではありませんが、

「何もできない」ではなく、「小さな一歩を積み重ねられる」という考え方を自分も周囲も身につける

と良いでしょう。

 

ポイント「できない自分を受け入れる」 =「自分は何もできない」というわけではなく、「完璧にはできない自分」を受け入れるということ。

 

まとめ

この記事では「先延ばし」に対するIg Knowledge(イグナレッジ)家での考え方や対策をまとめてきました。

 

日々このような対策を練ってはいますが、「作業に取りかかるのが遅れてしまう」ことが完全になくなるわけではありません

 

ただし、今回記事にしたポイントを抑えることでネガティブな感情を伴う「先延ばし」をただの「遅延」や意図を持った「戦略的な遅延」にかえることはできるかもしれません。

 

この記事のポイント

目標をできるだけ細かく具体的で取り組みやすいタスクにすること。

設定したタスクに取り組めないのであれば、さらに細かく小さいタスクにわけること。

小さい一歩を毎日行うことで習慣化すること。

「先延ばす」ことによって、頭に浮かんでくるネガティブな考えや感情を完全に回避できるのであれば、「先延ばし」をしても構わない。

ネガティブな考えや感情が浮かんでくるときは、タスクを細かくわけて「最低限」取り組むようにする。

「できない自分を受け入れる」 =「自分は何もできない」というわけではなく、「完璧にはできない自分」を受け入れるということ。