公認理師資格試験 過去問解説 問7 ゲートコントロール理論

公認理師資格試験 過去問解説 問7 ゲートコントロール理論

第4回公認心理師試験の過去問や正答は以下のサイトで入手可能です。

【令和3年10月29日14時】第4回公認心理師試験(令和3年9月19日実施)合格発表|講習・試験・登録|一般財団法人 日本心理研修センター 公認心理試験

 

公認心理師資格試験の過去問をしっかりと振り返ることで「自分に必要な知識は何か」を知るための手がかりとしてくださいね!

 

 

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【問7】ゲートコントロール理論

問7 P. Wall と R. Melzack のゲートコントロール理論が、元来、対象としていた感覚として、最も適切なものを1つ選べ。

① 温覚

② 嗅覚

③ 痛覚

④ 触圧覚

⑤ 自己受容感覚

出典:第4回公認心理師試験(令和3年9月19日実施)|一般社団法人日本心理研修センター

 

正答は ③

 

③ 痛覚

 

となります。

 



 

ゲートコントロール理論

ゲートコントロール理論 gate control theory とは、P. Wall と R. Melzack によって1965年に提唱された疼痛(痛み)の制御に関する理論です。

 

神経伝達の話なども含まれる理論なのですが、結論だけをごく簡単にまとめると、

痛みを感じた部位の周辺を触ると痛みが緩和される

となります。

 

脊髄後角と呼ばれる触覚・痛覚・温度感覚などの体性感覚の情報処理に関連する部位が、抹消の感覚器官から入力された情報視床・中脳・橋・延髄などの高次脳中枢へと伝達する働きを担っています。

 

この脊髄後角にある情報を伝達する細胞の興奮・抑制のバランスによって、痛みが高次脳中枢に伝わるかどうかが左右される(=痛みを感じるか否か)という理論になっています。

 

痛み = 情報そのものではなく、情報によって生じる細胞の興奮・抑制のバランスによって調整された信号が、中枢に伝わって知覚される

 

通常、痛みが抹消から脊髄後角に伝わると、痛みを伝える細胞が興奮し痛みを抑制する細胞が抑制することで、高次脳中枢に痛みが伝達されるようですが、同時に触覚刺激を加えると、痛みを抑制する細胞が興奮して痛みを伝えるための経路を阻害するため、結果として伝達される痛みが少なくなることで痛みが緩和されるとのことです。

 

これまで説明したように、ゲートコントロール理論は、「痛み」を「触覚」によって抑制可能という理論ですが、後に「中枢からの制御」、つまり「認知」「感情」や「他の感覚」といった高次脳中枢からくる刺激でも痛みを制御(興奮・抑制)することが可能であると、発展しています。

 

このような神経的なメカニズムについて、『(神経系の)ゲートが開くことで痛みが伝わりやすくなる』『ゲートが閉じると痛みが伝わりにくくなる』『ゲートを開く要因と閉じる要因を整理する』といった文脈で説明しているため、ゲートコントロール理論と呼ばれるわけです。

 

公認心理師としておさえておきたい部分のみ抜粋して簡単にまとめると、

ゲートコントロール理論 = 「痛み」は「触覚」の刺激や「認知」「感情」「他の感覚」などによって調整(痛みの増加・緩和)が可能である

となります。

 

ゲートコントロール理論は慢性疼痛に対する認知行動療法での心理教育にも使用されています。

 

千葉大学さんの以下のHPを参考にしてみてください。

 

以上のことから、本問題では選択肢③「痛覚」が正答となります。

 



 

まとめ

第4回公認心理師資格試験の問7は、ゲートコントロール理論に関する問題でした❗️

 

まとめると以下のようになります。

ゲートコントロール理論 = 「痛み」「触覚」の刺激や「認知」「感情」「他の感覚」などによって調整(痛みの増加・緩和)が可能である

 

ゲートコントロール理論は、神経生理学的な要素も強い理論ですが、「痛み」の情報処理を抑制する要因(ゲートを閉じる要因)として心理的な要因も付加されているため、慢性疼痛の認知行動療法などでも使用されます。