公認理師資格試験 過去問解説 問90 MMPI(ミネソタ多面人格目録)
- 2021.11.09
- 公認心理師(第3回) 資格試験
- 心理検査, 第3回公認心理師試験

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第3回公認心理師試験(令和2年12月20日実施)|一般社団法人日本心理研修センター
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【問90】MMPI(ミネソタ多面人格目録)
問90 MMPI の実施と解釈について、正しいものを1つ選べ。
① 各質問項目には、5件法で回答する。
② 追加尺度は、20尺度開発されている。
③ F尺度は、心理的防衛の高さを示している。
④ 第5尺度Mfは、性別により解釈基準が異なる。
⑤ 第0尺度Siと第7尺度Ptが90の場合は、精神的混乱状態と解釈できる。
④ 第5尺度Mf は、性別により解釈基準が異なる
となります。
MMPI
ミネソタ多面人格目録 Minnesota Multiphasic Personality Inventory:MMPI は、Hathaway ハサウェイ とMcKinley マッキンレー によって開発された質問紙法による心理検査です。
550項目から構成された質問に対して、「そう」か「違う」の2件法で回答してもらい、その結果をもとに人格プロフィールを作成して、多くの側面から総合的に人格を査定する心理検査となっています。
MMPIは、基礎尺度(妥当性尺度・臨床尺度)と追加尺度があります。
妥当性尺度:被検査者の受験態度から検査結果の意図的な歪曲がないか判断する
- ?尺度:疑問尺度 妥当性について評価
- L尺度:虚偽尺度 社会的好ましさに基づいて検査を実施したかどうかを評価
- F尺度:頻度尺度 出現率が低い回答の有無を評価
- K尺度:修正尺度 検査への防衛的な態度を評価
臨床尺度:10尺度からなる
- 第1尺度(Hs) 心気症
- 第2尺度(D) 抑うつ
- 第3尺度(Hy) ヒステリー
- 第4尺度(Pd) 精神病質的偏奇
- 第5尺度(Mf) 男性性・女性性
- 第6尺度(Pa) パラノイア
- 第7尺度(Pt) 神経衰弱
- 第8尺度(Sc) 統合失調症
- 第9尺度(Ma) 軽躁病
- 第0尺度(Si) 社会的内向性
追加尺度は代表的なものとして、顕在性不安尺度(MAS)などが挙げられますが、その数は100以上あります。
選択肢の解説
① 各質問項目には、5件法で回答する
MMPIは先ほど説明した通り、それぞれの質問項目に対して「そう」「違う」で回答を求める2件法の検査になっています。
よって、選択肢①「各質問項目には、5件法で回答する」は不適切とわかります。
② 追加尺度は、20尺度開発されている
追加尺度は100以上開発されています。
そのため、選択肢②「追加尺度は20尺度開発されている」は不適切な記述といえます。
③ F尺度は、心理的防衛の高さを示している
F尺度は出現率の低い回答の有無を評価する尺度で、心理的防衛の高さを示しているわけではありません。
F尺度が高いと、①検査項目の内容が理解できていない、②症状を誇張している、③急性な精神症状の存在などいくつかの仮説が立てられます。
心理的防衛を評価する尺度は同じ妥当性尺度のなかでもK尺度です。
K尺度は検査時の防衛的な態度や対処能力を評価する尺度であり、採点時に各項目の得点を修正するための得点としても使用されます。
そのため、選択肢③「F尺度は、心理的防衛の高さを示している」はF尺度ではなく、K尺度の説明となるため、不適切な記述となりますね。
④ 第5尺度Mfは、性別により解釈基準が異なる
第5尺度(Mf)男性性・女性性は、性別によるステレオタイプ的な役割をどの程度取り入れているかを評価する臨床尺度になります。
被検査者の性別によって、得点化するときの基準も違い、解釈基準も異なるのが特徴です。
男性の場合、第5尺度での高い得点は、どちらかというと女性らしさを取り入れ、内省的・教育志向的・想像力豊かなどの特徴を示しているとされます。
一方、女性の場合、第5尺度での高い得点は、女性らしさにとらわれず、主張的・競争的・現実的などの特徴を示しているとされています。
詳細な内容の記載は避けますが、このように性別によって解釈基準が異なっていきます。
そのため、選択肢④「第5尺度Mfは、性別により解釈基準が異なる」が正しい記述であるとわかります。
⑤ 第0尺度Siと第7尺度Ptが90の場合は、精神的混乱状態と解釈できる
MMPIでは集計した素点からT得点という標準化された得点を算出して解釈をしていくのですが、一般的にはT=70以上で「高い」とされるため、このT=90という得点は非常に高い得点であるといえます。
この選択肢では、第0尺度(社会的内向性)と第7尺度(神経衰弱)がともにT=90の場合、精神的混乱状態と解釈できるか否かを問うているということになります。
ちなみに、第0尺度の高点は、他の尺度得点との兼ね合いで、「行動化の可能性を減らす、反芻思考や自己陶酔が増える」といった解釈が可能です。
今回の場合は、ざっくり『緊張が強く内向的で、対人的な技能について不全感を持ち、反芻思考が多い』といった解釈が可能となります。
ここまででは「精神的混乱状態」とまで解釈できるかは難しいのですが、あとは精神的混乱状態を示す可能性のあるF尺度の得点との兼ね合いになってきそうです。
また、第0尺度Siと第7尺度Ptがいずれも高点の場合、実は性別(第5尺度Mfの得点)によって解釈が異なります。
よって、選択肢⑤「第0尺度Siと第7尺度Ptが90の場合は、精神的混乱状態と解釈できる」は正しい記述とは言い切ることが難しく、不適切な回答といえますね。
まとめ
第3回公認心理師資格試験の問90は、MMPIに関する問題でした❗️
MMPIは非常に有用な検査ですので、しっかりと押さえておきましょう。
妥当性尺度:被検査者の受験態度から検査結果の意図的な歪曲がないか判断する
- ?尺度:疑問尺度 妥当性について評価
- L尺度:虚偽尺度 社会的好ましさに基づいて検査を実施したかどうかを評価
- F尺度:頻度尺度 出現率が低い回答の有無を評価
- K尺度:修正尺度 検査への防衛的な態度を評価
臨床尺度:10尺度からなる
- 第1尺度(Hs) 心気症
- 第2尺度(D) 抑うつ
- 第3尺度(Hy) ヒステリー
- 第4尺度(Pd) 精神病質的偏奇
- 第5尺度(Mf) 男性性・女性性
- 第6尺度(Pa) パラノイア
- 第7尺度(Pt) 神経衰弱
- 第8尺度(Sc) 統合失調症
- 第9尺度(Ma) 軽躁病
- 第0尺度(Si) 社会的内向性
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