公認心理師資格試験 過去問解説 問9 認知心理学②「心理物理学」

公認心理師試験

第3回公認心理師試験の問9は、心理物理学、とくにウェーバーの法則を使って弁別閾を計算する問題です。

問題

100gの重さの知覚における弁別閾を測定したところ10gであった。このときに予測される400gの重さの知覚における弁別閾として、正しいものを1つ選べ。

① 2.5g
② 10g
③ 13.01g
④ 20g
⑤ 40g

正答は⑤ 40gです。

この問題のポイント

覚えるべき式は、ウェーバーの法則を表す次の関係です。

ΔI / I = k

  • I:基準となる刺激の強さ
  • ΔI:ようやく違いに気づける最小の差(弁別閾、JND)
  • k:ウェーバー比

ウェーバーの法則では、一定の範囲内で、弁別閾そのものが一定なのではなく、弁別閾と基準刺激の比がおおむね一定になると考えます。

計算してみる

100gに対して弁別閾が10gなので、ウェーバー比は次のようになります。

10 ÷ 100 = 0.1

基準刺激が400gになっても比が0.1と考えるため、弁別閾をΔIとすると、

ΔI ÷ 400 = 0.1

したがって、

ΔI = 40g

となります。よって、正答は⑤ 40gです。

弁別閾と絶対閾を区別する

弁別閾(difference threshold)は、2つの刺激の違いをようやく識別できる最小の差です。丁度可知差異(just noticeable difference:JND)とも呼ばれます。

一方、絶対閾(absolute threshold)は、刺激の存在を検出できる最小の強さを指します。

試験では、「刺激があると分かる最小量」なのか、「2つの刺激の違いが分かる最小差」なのかを区別すると整理しやすくなります。

心理物理学とは

心理物理学は、刺激の物理量と、それによって生じる感覚・知覚との関係を数量的に扱う領域です。

代表的な法則として、ウェーバーの法則やフェヒナーの法則があります。

ウェーバーの法則

刺激が強くなるほど、同じ「差」に気づくためには、より大きな物理的変化が必要になります。重要なのは絶対量ではなく、基準刺激に対する変化量の比です。

フェヒナーの法則

フェヒナーはウェーバーの法則とJNDを手がかりに、刺激の物理量と感覚量の関係を数量化しようとしました。試験対策では、まずウェーバーの法則=ΔI / I が一定という関係を確実に押さえておくとよいでしょう。

選択肢の確認

  • ① 2.5g:誤り
  • ② 10g:誤り。弁別閾が常に10gで固定されるわけではありません。
  • ③ 13.01g:誤り
  • ④ 20g:誤り
  • ⑤ 40g:正しい

試験対策として覚えること

  • 弁別閾=JND=違いに気づける最小差
  • 絶対閾=刺激の存在を検出できる最小強度
  • ウェーバーの法則:ΔI / I = k
  • 100gで10gならウェーバー比は0.1
  • 400gでは400 × 0.1 = 40g

この問題は、公式を丸暗記するだけでなく、「差の絶対量ではなく比を見る」と理解しておくと解きやすくなります。

参考

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