公認理師資格試験 過去問解説 問7 κ係数(評定の一致度)

公認理師資格試験 過去問解説 問7 κ係数(評定の一致度)

第5回公認心理師試験の過去問や正答は以下のサイトで入手可能です。

第5回公認心理師試験(令和4年7月17日実施)|一般社団法人日本心理研修センター

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問7 観察法のチェックリスト法による 2 人の評定の一致の程度を表す指標として、最も適切なものを 1 つ選べ。

① α係数

② γ係数

③ κ係数

④ φ係数

⑤ ω係数

出典:第5回公認心理師試験(令和4年7月17日実施)|一般社団法人日本心理研修センター
正答は ③ κ係数

となります。

κ係数とは

本問題の正答はκ係数(カッパー)です。

κ係数 kappa coefficient は、質的なデータに対して二人の観察者間の評定・判断の一致度を評価する指標となります。

数値は-1≦ κ≦ 1という値を取り、数値が1に近いほど評定者間の分類が一致していることを表します。値がマイナスの場合は一律で一致度合いが低いことになります。

実際としては、0.6以上の値であれば実質的に一致しているとみなされます。

もともとはこのような二人の観察者間の評定の一致度を測る測度として「一致率(評価が一致した個数÷総数)」という単純なものが用いられていました。

しかし、この計算方法だと偶然一致したもの(例えば片方の観察者が当てずっぽうで評価したものが一致するなど)』の影響を排除することができません

このような問題を補正するために考案されたのがκ係数といえます。

この期待一致率の計算方法は難しいので、今回は説明は割愛します。

残りの選択肢について簡単に

  • α係数:クロンバックのα係数と呼ばれ、信頼性を表す指標。
  • γ係数:グッドマン=クラスカルの順位相関を表す指標。
  • φ係数:2変数の連関関係を表す指標。
  • ω係数:マクドナルドのω係数と呼ばれ、信頼性を表す指標。

まとめ

  • κ係数は、二人の観察者間の評定・判断の一致度を評価する指標で、-1 ≦ k ≦1の間の数値をとる。
  • 「偶然による一致」の影響を排除するために必要な解析である。
  • 0.6以上で一致度が高いとされる。