公認理師資格試験 過去問解説 問34 「スーパービジョン」について
- 2023.09.04
- 公認心理師(第4回)
- 第4回公認心理師試験
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【問34】「スーパービジョン」について
問34 心理支援におけるスーパービジョンについて、誤っているものを1つ選べ。
① スーパーバイジーの職業的発達に適合させることが望ましい。② スーパービジョンの目的の1つに、特定のスキルの熟達がある。
③ 後進の指導に当たる立場では、スーパービジョンの技能を学ぶことが望ましい。
④ スーパービジョンの目的の1つに、心理療法理論の臨床場面への応用と概念化がある。
⑤ スーパービジョンとは、スーパーバイジー自身の心理的問題を扱うカウンセリングのことである。
正答は ⑤
⑤ スーパービジョンとは、スーパーバイジー自身の心理的問題を扱うカウンセリングのことである
選択肢の解説
スーパービジョン supervision とは、セラピストが自分の担当事例についてスーパーバイザーに報告し、適切な方向づけを得るための指導を受けることを指します。
①スーパーバイジーの職業的発達に適合させることが望ましい
経験や発達段階に即したスーパービジョンの重要性についてはよく指摘されています。
鑪(1997)では、「クライエント・カウンセラーとセラピストの関係性」「臨床的技法と情緒的支えの割合」「スーパービジョンの次元」で臨床経験によるスーパービジョンのレベルの違いを説明しています。
よって、こちらの選択肢は正しいといえます。
②スーパービジョンの目的の1つに、特定のスキルの熟達がある
Holloway(1995)による「SAS(The Systems Approach to Supervision)」というスーパービジョンの理論では、スーパーバイジーの課題として「カウンセリングスキル」が挙げられています。
このように、特定のスキルを熟達させるために指導を受けることはスーパービジョンの目的といえます。
そのため、選択肢②「スーパービジョンの目的の1つに、特定のスキルの熟達がある」は正しい選択肢といえます。
③後進の指導に当たる立場では、スーパービジョンの技能を学ぶことが望ましい
後進の指導にあたる立場では、スーパービジョンの技能を学ぶことが望ましいといえます。
こちらの選択肢も正しいですね。
④スーパービジョンの目的の1つに、心理療法理論の臨床場面への応用と概念化がある
Holloway(1995)による「SAS(The Systems Approach to Supervision)」というスーパービジョンの理論では、スーパーバイジーの課題として「ケースの概念化」が挙げられています。
一般的な理論と特定の事例との間のギャップを埋めていく必要があります。
心理療法理論の臨床場面への応用と概念はスーパービジョンの目的のひとつといえますね。
⑤スーパービジョンとは、スーパーバイジー自身の心理的問題を扱うカウンセリングのことである
スーパービジョンはスーパーバイジーが担当する事例について扱うものとなります。
バイジー自身の心理的問題を扱うカウンセリングに関しては、教育分析 training analysisと呼ばれます。
教育分析は単純に心理療法を受けるという意味合いのみでなく、自己研鑽のひとつとして位置付けられています。
以上のことから、こちらの選択肢は「教育分析」を意味するため、不適切な選択肢といえます。
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